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ひよきちわーるど

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2011.06.18
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カテゴリ:万葉集


「萬葉集古義」…この本は数年前に入手したもの。

ただ、その文章の美しさに惹かれる。

そのままのことをそのままの言葉で
(的確に)書き表しているところに魅力を感じる。



これから少しずつ、この空間を使って
萬葉集古義の文章をご紹介していきたいと思う







  暁のかはたれ時に島蔭を

      漕ぎ去し船のたづき知らずも


                万葉集 巻20




  阿加等伎乃 加波多例等枳爾 之麻加枳乎

         己枳爾之布禰乃 他都枳之良受母


  あかときの かはたれときに しまかぎを

         こぎにしふねの たづきしらずも




阿加等伎は、暁なり、加波多例等枳は、彼は誰時にて、
暁の未だほのぐらくて、人の面顔の其れと見え分き難きほどを云、

契沖云、かはたれときは、たそがれ時といふに同じ、
およそ夕へも暁もほのかなれば、人のかほもそれとみわきがたくて
名のりをきけば、夕へをもかはたれ時といひ、暁をもたそがれ時といふべきを
いつとなく、たそがれは夕へにいひならひて、暁にいはば、ことあたらしくなりぬべし、

源氏物語初音に、花の香きそふ夕風の、のどかに打吹たるに、
御前の梅やうやう紐解けて、あれはたれときなるに、とかけり、
かはたれと云に同じ、

之麻加枳は、島陰なり、


歌の意、第四の句までは序にて、主用は第五の一句のみにあり、
かくて序の意は、暁のほのぐらきに、冲つ島陰を遥に漕出(こぎゆき)し船は
何方の浦に、湊(はつ)るとも知れねば、手著(たづき)知ずといひつづけたるにて

さてかく妻子を置て、遠く西の海に赴くことなれば、行末おぼつかなく
何處をよすがとたのまむ手著も、さても知れぬこと、と云なるべし



                         萬葉集古義 7









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Last updated  2011.06.18 22:56:02
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