「某」漫画まとめサイトに思う、「違法ダウンロード」と「公式ウェブコンテンツ」
いつも利用している、整骨院の先生が不意にはなった一言から、一部のSNSでちょっとした社会現象となっているあのサイトにまつわる話をすこ~し調べてみました。具体的なサイト名などはとりあえず伏せるとして、「最新の漫画」が多数集められている「漫画まとめサイト」なるものがあります。このサイトについて、存在自体は知っていましたし、「違法じゃん」という立場でしたが、諸々見てみると、「そうとも言い切れない」変な状況があります。この手の「違法漫画アップロードサイト」と思しきサイトが違法に当たるのはどの部分でしょうか?「No More 映画泥棒」なアップロードにあたるのでしょうか…?これが、「違法ダウンロードの刑事罰化」っていうものの話には「当たらない」そうです。ここで出てくるのが、「有償著作物」という単語。こいつが曲者なんですね。「有償著作物」というのは、平たく言えば「映像」や「音楽」のことを指しており、漫画などのような「静止画」は「有償著作物」ではないという考え方ができそうです。というよりも、下記のような文言があります。なお,例えば市販の漫画本を撮影した動画が刑事罰の対象に当たるのではないかとの問い合わせがありますが,漫画作品自体が録音・録画された状態で提供されているものではありませんので,有償著作物等には当たりません。(平成24年通常国会 著作権法改正について 4.改正法Q&A 問7-2の注釈より)いや、目を疑いましたが、「違法ダウンロードの刑罰化」っていうのは、違法アップロードが横行していた映像方面に対する「強行手段」とも取れるところでしたが、漫画は全くといっていいほど守られていなかったんですね…知らなかった…。では、「違法漫画アップロードサイト」をがっちりと違法と言い切る根拠をどこに持っていく…というと、「著作権法」ですね…ところがこいつもまだまだ問題が山積み。著作権法って、現状(2018年3月現在)、「親告罪」ということとなっております。※一部においては、「非親告罪」となっていますが、漫画はまだまだみたいです…結局のところ、アップロードなり、「まとめサイトの餌食」になった「著作者」が、「違法だ!取り下げろ!」っていうのを、然るべき手続きを経て訴えることで、初めて成り立つ部分が多くあるため、実際の動きになりづらいんですね。んで、ほかのサイトなんでも言われていますが、「サイト利用者」と「サイト運営」には、互いに「損がない」どころか「得しかない」関係のため、この手のサイトがなくならないわけです。う~ん…どうしたものか?話は変わりますが、今回は調査のためにちょこちょこっと、当該サイトを見てきました。無数の「最新漫画雑誌」が並べられたトップページに、目的の作品をクリックしたらすぐに読み始められる仕組みもあってか、確かに使いやすいサイトなんだと思います…う~ん、そうなんですよね。で、それと別のお話で、「公式」のウェブ漫画サイトって結構巡回しているんです。主だったところをつらつらと並べると、「コミックウォーカー」(KADOKAWA)「ヤングエースUP」(KADOKAWA)「コミックガルド」(オーバーラップ文庫)「コミック アース・スター」(EARTH STAR)この辺が、よくアクセスしているサイトですかね。個人的には、「コミックウォーカー」が角川系の作品が程よく集まっていていい感じです。紙で掲載した作品を週ずれ・月ずれなどで、ウェブ版も公開されているため、見逃してしまった作品や、近場に本が売っていないような作品も読むことができて、こういうサイトがもうちょっと広まらないかなぁ…と思う次第です。紙の販売形態は結構良くできていて、当時は感心したものです。コンビニなどで売っている「本」は、店に卸された時点では、支払いの義務はありません。「売れた」時点で支払い・利益を受ける義務・権利が発生する仕組みで、売れなかった商品は、既定の期日で「返本」することだけでいいという仕組み。売れければ利益にならないのは当然ですが、返本してしまえば損益もないわけです。(場所代などは除くとして…)で、これは販売元が「すべて仕切っている」ため、店舗側からは、「これだけ入れてほしい!」という、「希望値」を入力することしかできません。販売元からすれば「売れる場所に沢山卸す」が基本なので、「希望通り」の数値になることは稀です…が、逆に希望以上に届くこともあります。都市伝説的には、「某世界の不思議を集めた本」の取り扱いを希望すると、すんなりと店に並べることができるものの、「同志たち」が集まってくるという噂も…。とまぁ、そんなこんなで、元のテーマが明後日の方向に行ってしまいましたが、「漫画まとめサイト」が無くなることなく、むしろ勢力を伸ばしている現状というのは、ウェブ産業へのシフトが遅れ気味にある業界にも多少なりとも原因がある気がします。紙の利便性は今更議論をする必要はありませんが、電子コンテンツ産業を軽視し、結果の一つとして、「利用者の獲得」が上手くいかなかったわけですから…。上記でも書いたように、個人的には、公式のウェブ漫画サイト巡回は楽しいですし、隙間時間で読むにも余分なアプリを入れなくても利用できるのは歓迎です。(漫画アプリも複数入れて利用していますがw)漫画まとめサイトでは、「うちはリンクしているだけ、データは持ってません!」って言っていることですし、公式サイトは、データの「暗号化」「秘匿化」を強化して、「サイト利用者」のみが利用できる体制にして欲しいところでもあります。一朝一夕で出来るものでもないですが、コンテンツ産業の発展を願ってやまないですね~。