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みなさん、こんばんは。真田丸のツイッターを見てるとすぐに時間がたってしまいます。

さて、こちらにも真田丸お馴染みの面々が登場しますよ。

くノ一忍法帖 山田風太郎忍法帖(5)
山田風太郎

元和7年7月、大坂城落城で天下を握ったはずの家康に驚くべき情報がもたらされた。真田幸村の秘策により、五人のくノ一が信濃忍法を駆使して秀頼の子を身ごもった。しかも、その五人は家康の孫娘、千姫の侍女の中にいるという。隠密のうちに禍根を断つことを決意した家康は服部半蔵に命じて、伊賀国鍔隠れの谷から五人の忍者を呼び寄せる。

　メインは忍法。今回もあるある人間離れの技。
自分の体液（ってあれですからね、あれ）で体を膜のように覆い、いざという時脱ぎ捨てる、「肉鞘」を披露する七斗捨兵衛（蛇か君は）。一度セックスした女性と再度セックスすると、相手がショック死する「穴ひらき」(アナフィラキシー現象をもじっている)を使う雨巻一天斎。

　「妊娠しているくの一と、忍者？ハンデあり過ぎじゃないか？」とお思いの方、甘い甘い。
何せ今回の主役はタイトルにもなっているくの一。男に裸女の幻影を見せて自在に操りまた能力を奪う「幻菩薩」は序の口。彼等と互角に渡り合うためならば、人間性をかなぐり捨てて、軟体動物にも筋足動物にもなる。胎児を他の女にリレーして難を逃れる「やどかり」や、貝になって或るものを挟む「天女貝」。とどめはやっぱり母性ならではの術「夢幻泡影」。もしかして『忍法聖千姫』（『忍法関ヶ原』収録）で妙に妖しい千姫は、この時にくの一から何か伝授されて形成されたのか？更に千姫方には、つおい味方、長曽我部盛親の妻で、やはり妊婦の丸橋が加わる。彼女は忍法を身に付けてはいないけど、くさり鎌や分銅を振り回す、まるでレディス版宍戸梅軒。そこに、千姫を助けたのに袖にされる坂崎出羽守(『忍法聖千姫』にも登場)や阿福、南海の竜こと紀州大納言頼宣、もちろん家康らお馴染みキャラが、そこここで、いつかどこかで聞いた事件を引き起こして絡んで来る。


そして『忍法封印いま破る』に続く「妊婦を守れ！」シリーズとくれば、忘れちゃならない服部一族。今回も受難の日々は続く。2代目が『忍法封印いま破る』であんな事になってしまったので、何と服部石見守の三男が3代目半蔵となっている。負けが込んでくると、家康の怒りを怖れて、残りの忍者をリストラするのは、後の『江戸忍法帖』で甲賀忍者が受ける仕打ちそのもの。やれやれ、中間管理職ってのは、これだから。

『講談社倶楽部』に昭和35年9月号から36年5月号にかけて連載された作品。著者自ら忍法帖の代表作として推す。




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