映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。西武鉄道は2020年に閉園した遊園地「としまえん」の最寄り駅だった西武豊島線の「豊島園」（練馬区）を改修すると発表しました。人気映画「ハリー・ポッター」のテーマパークが年に開業するのに合わせ、映画の世界観を表現した駅のホームに生まれ変わるそうです。今日も韓国小説を紹介します。

普通のノウル
イ・ヒヨン
評論社

シングルマザーに育てられた17歳の少年ノウル。16歳で自分を生み、ひとりで育ててくれた母に、だれよりも幸せになってほしいと願っていたのに、恋人候補として急浮上したのは、母より6歳も年下の、やっと就職が決まったばかりの、親友ソンハの兄だった、母さんに“平凡なパートナー”をみつけて“普通の幸せ”を手に入れてほしいのに。「“平凡”ってそもそもなんなの？」と親友ソンハにたずねられたノウルは。

　一緒にいると姉弟に間違われるノウルは、一人で頑張っている母にパートナーが現れることを望んでいた。だがその相手を知り、母がまた傷つくことを怖れて素直に喜べない。日本と同様韓国でも未婚の母に対する風当たりは強く、何もない風を装っているようでもノウルには、これまでも母の強がりが度々感じられたからだ。だが、世間の“普通”という枠組に傷つけられた過去を持ちながらも、ノウルもまた世間が押し付ける“普通”に拘っていたことに気づく。邦題にも登場する“普通”が本作のキーワード。“普通”って何？これについてはソンハが作中でなかなか穿った答えを出してくれている。誰もが認める“普通”ってある？“普通”ってそんなにいいもの？これは読者にも問いかけられている。韓国ドラマでよくある恋愛パターンへのアンチテーゼもちらり。

​
普通のノウル [ イ・ヒヨン ]​​楽天ブックス​