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April 25, 2024
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カテゴリ:山田風太郎
みなさんこんばんは。となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」など世界的に愛される映画を生み出したアニメーション制作会社、スタジオジブリが日本テレビの子会社になることが分かりました。スタジオジブリは共同設立者である宮崎駿監督の後継者を見つけることができなかったようです。今日も山田風太郎作品を紹介します。

山田風太郎明治小説全集(八) エドの舞踏会
ちくま文庫
山田風太郎

「あげな西洋の猿真似は、日本にとって百害あって一利なし。」と言う山本に、「猿真似も、お国のために必要とあればやらんけりゃならん。」と西郷。

たった6年間の徒花となった鹿鳴館に否定的な意見を持っていた山本権兵衛が、上司の西郷従道(隆盛弟)から、舞踏会に大官の夫人方を誘って回る大山巌夫人・捨松の護衛とダンスの相手をおおせつかる。 ところが行く先々で相談事を持ちかけられて…。

2人を狂言回しに、明治の元勲の素顔と私生活、妻たちの苦労、妻から見た元勲観が語られる、オムニバス形式。事情通の西郷が、2人に説明する形で、親切にも必要な予備知識を与えてくれる。
「井上馨夫人」での妻武子と、馨、武子の元夫・中井桜洲の関係は、まるでドラマ『愛という名のもとに』の保奈美&江口&唐沢。「伊藤博文夫人」では、後の川上貞奴が登場。借金取り相手に啖呵をきる元・馬関芸者の梅子が、水揚げフェチの博文を張り倒すシーンは痛快。首相官邸ができた意外な真相も明かされる。「山県有朋夫人」では、密偵使いとしてぬかりのなかった有朋が、妻の深謀遠慮に出し抜かれる。普段おとなしい人ほど恐~い。「黒田清隆夫人」黒田清隆の妻殺しの噂については、『警視庁草紙』でも触れられている。馬丁が妻に捧げる愛情は『春琴抄』にも似て。「大隈重信夫人」では、徳富蘇峰が登場。後の大隈襲撃犯との因縁の出逢いが描かれる。「陸奥宗光夫人」では、のらりくらりの夫を献身的に愛し続ける亮子が、発想の転換で夫の窮地を救う。もう一つの『夫婦善哉』。
「森有礼夫人」の項では、西洋礼讃派だった有礼に、やや皮肉な結末が待つ。「ル・ジャンドル夫人」の息子のその後は、竹田真砂子氏の『花は橘』で語られる。

各話のまとまりもよく、それぞれの夫人達に見せ場があり、舞台化されたのも納得。全編を通じて感じ取れるのは、西郷を通じて語られる、山風氏の手放しの女性讃歌。
「ほんもののほうがみんなしおたれて、にせものの貴婦人方の方が、みな顔をあげて生き生きしちょる。」
「男はな、元の身分がいやしいと、いかに出世してもその人相にそれが残る。ところが、女性はな、貴族になったら、みんなみごとに貴族になる。いや、衣装の事じゃなか、心がじゃ。あっぱれ、女は変る。」
傍目にはどう見えようと、二人はこれで幸せなんだろうと思わせる夫婦愛の不思議もかいま見る事ができる。

誓約書や口約束を散々破ってきた元勲夫妻達のエピソードが終わった後、本篇の主人公、山本夫妻が生涯大事にし、守り抜いたであろう結婚誓約書が出てくる。地味で誠実な夫婦愛が、しみじみとした余韻を残して終わる。掉尾を飾るに相応しいエピソードだ。

著者の主人公達に対する見方がすごく素直で、「どうせエログロでしょ。」と山風を敬遠していた方が、最初に読むにはお勧め。


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最終更新日  April 25, 2024 12:00:25 AM
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