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みなさんこんばんは。お菓子のチェルシーが在庫限りでなくなってしまうようです。寂しいですね。今日は恋愛小説集を紹介します。

死霊の恋／化身　ゴーティエ恋愛奇譚集​
La Morte Amoureuse/Avater
光文社古典新訳文庫
テオフィル・ゴーティエ


『死霊の恋』
66歳になった神父が「悪魔めいた摩訶不思議な現象の餌食」になった体験を語る。24年間聖職に就くことだけを考えてきたが、叙階式の日に見かけた美女クラリモンドの事が、頭から離れなくなってしまう。何度となく彼の前に現れて、彼を騎士ロミュアルドと呼び誘惑する彼女もまた「稲妻のように一瞬で男の運命を決めてしまう目」をしていた。クラリモンドは町では名うての悪女だった。ロミュアルドを心配した恩師セラピオンは、何か悪いものに取りつかれているロミュアルドを心配して問いただす。遂にクラリモンドの墓を暴いて彼の眼を覚まさせようとするが。いやあ怪しい美女ですねクラリモンド。わざわざ妖怪の真実の姿を見せて、恋焦がれる男の目を覚まさせる所は日本の『牡丹灯篭』みたい。

『化身』
人妻ラビンスカ夫人に片思いする青年オクターヴ・ド・サヴィーユ。しかしラブラブで夫一筋の妻にきっぱりと振られてしまう。気落ちするオクターヴにバルタザール・シェルボノーが持ち掛けたとんでもない手段とは。男はいいかもしれないが、妻としてどうなの？そもそもオクターヴを好きでもなかったのに。それに結局、いい目を見たのは漁夫の利のシェルボノーだったのでは。

『アッリア・マルケッラ』
仲良し3人組がイタリアポンペイ遺跡に出かける。そのうちの一人オクタヴィアンは、ガラスケースで見つけた黒い灰の塊に、美しい乳房のくびれの丸みと脇腹のくびれを見出す。えええそんなにくっきり？ポンペイ遺跡は見に行ったけど、そんなのあったっけ？一人寝付けなかったオクタヴィアンが夜出かけるとあら不思議。昔の風景がよみがえり、あの乳房の持ち主アッリア・マルケッラも。こちらも急に芽生えた恋に水を差すのは年配者。アッリアの父アリウスが「彼にお前の邪悪さを示してやらなくてはならない」『死霊の恋』と本編は、この世ならぬ者に恋する男性の物語。現実の女性がんばろう。ところでオクタヴィアンは絶望のあまりイギリス人女性と結婚したそうだ。絶望のあまり結婚って何？ひどくない？だったら結婚しなきゃよかったのに。


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