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みなさんこんばんは。ノーベル文学賞の受賞が決まった韓江（ハン・ガン）さん（53）の本が韓国で急速に売り上げを伸ばしており、国内の3大書店だけでも11日午後までに30万部以上売れ、一部の作品は在庫がないため予約販売だそうです。今後、日本でも売り上げを伸ばしそうだ。今日も真田広之さん作品を紹介します。

PROMISE～無極～
The Promise

監督＆脚本
チェン・カイコ―


出演
真田広之　リウ・イエ　チャン・ドンゴン　ニコラス・ツェー　セシリア・チャン
　
　アジアのどこかの国。戦場で飢えていた少女に、運命の女神が現れて告げる。「欲しいものは何でも手に入る。その代わり真実の愛は得られない。得たと思った瞬間に消えていく。それでもいい？」少女は頷く。

　20年後。深紅の花々で飾られた花鎧を纏う歴戦の将軍・光明は、森に迷う中運命の女神満神に出会い告げられる「お前の勝利はこれで最後だ。お前は王を殺す。何かに心動いた時命を落とす。」と。勝つことしか考えていない光明は、負けた時に何を所望するか聞き、女神は涙を所望する。

　運命の女神と約束したのは二人だけ。他の二人の主人公は、生まれながらにして才能を与えられた、速く走れる雪国出身の奴隷・崑崙と、冷徹な公爵・無歓のみ。監督は侯爵をレスリー・チャンに演じてほしかったようだ。

王を撃つなど考えていなかった光明は、怪我で代役を頼んだ崑崙が、成長した少女＝王妃・傾城を助けるために、やむなく王を撃つ。ただ花鎧を被っていたために、衆人環視のもと、将軍による王殺しが行われた事実が残った。

中国武侠なので、皆ワイヤーアクションで空を飛びながら走り、剣を振るう。真田氏は当初奴隷役としてキャスティングされ、太るように言われたので、花鎧を被ってその上流星錘を振り回すアクションは、かなり大変だったのではないか。40代だからできたことだ。

監督に「ただ強いだけの将軍ではなく様々な要素を見せてほしい」と言われたように、自尊心もあり、その自信を支える実力もある冒頭から、後半は軍の部下からも背かれ、国からも追われ尾羽打ち枯らしたよれよれシーンまでアップダウンが激しい。唯一手に入れた王妃も、崑崙が助けた事を知らせていない負い目がある。光明を助けるために王妃が崑崙と組んで裁判で嘘を言おうと打ち合わせた事を、光明は知らない。裁判で王妃と崑崙が言う事は全て事実だが、王妃だけが嘘だと思っている。しかし光明は打ち合わせを知らないので途中で驚き、王妃も滝で“将軍”が言った言葉を崑崙が正確に告げた事で真実を知る。全てをなげうって得た愛を将軍が失った瞬間であり、崑崙がやっと愛する人に正面から向いてもらえた瞬間であり、傾城がやっと愛する人を見つけた瞬間でもある。ここは演劇的であった。

傾城という名がつくくらいなので、アジア圏ならば彼女がファム・ファタールに扮していることは気づく。しかし彼女がそのような雰囲気をまとっていたのは、冒頭で「私の衣の中を見たい人はいるの？」と問うた時くらいで、それ以外は国を揺るがす美貌や、愛以外の全てを手に入れた悲劇の女性というイメージはなかった。

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