あの海の涙をやさしさでぬぐおう
アンダマンスマイル展もあとのこすところ2日となったところで、津波に関する本の出版イベントがあることを知り、渋谷の大盛堂書店に行きました。開場の時間ということで、会場に行くと、一番乗りだったようで、お店の方にアンダマンスマイル展とタイホームステイツアーのチラシを置かせてくれないかと聞いてみると、全部の椅子の上に置いても良いと快諾してくれた。今回出版された本は、白石昇著の「津波 アンダマンの涙」というタイトルが付いている。津波から4年経った今を伝える「アンダマンスマイル展」と対照的なタイトルだが、それもそのはず。津波直後の約3週間、通訳として報道の現場に密着した著者が、自分で感じたことをそのまま書いてあるのだそうだ。さっそく、一冊買ってペラペラとめくってみる。私が約4年通った見慣れた地名がいっぱい書かれていて、さをり織りが行われていたキャンプのまわりの地図が書かれていて、目の前に、その距離感と共に情景が浮かんでくる。そして、そこにいる人の顔も浮かんでくる。ひとも集まり、司会者の軽い前フリのあと、音楽と共に、白石さんが登場した。ラフな格好ながらも、どこか職人肌を感じる男性が現れた。トークショーはざっくばらんな展開で進んでいたが。途中で白石さんが思い出したように、ひとつの絵を壁に貼った。その絵は、明らかに子供の描いた絵でした。その絵の意味は、家に帰って読んでわかることとなる。トークショーがおわり、サイン会となった。主催者の方に、挨拶できていなかったので、チラシを置かせて頂いたお礼を言うと。白石さんの書いた本に書かれている街が出てくる行程表をみて、「いいツアーだ」と行ってくれた。ありがとうございます。私の順番がきた。本のタイトルと対照的な名称の展覧会を開いていることを、白石さんにつげた。白石さんは、私が持ってきたチラシをいれた、ナムケム村で作られているろうけつ染めのバッグを見て「あ、絵の先生が書いたものだ」といった。なにか嬉しいモノがわいてでてきた。そこには、今回の展示会のために絵を描いてくれた子供たちの住む、津波孤児センターの「バーンターンナムチャイ」のネーミングの中にある、「心の水」ナムチャイで繋がったなにかを感じた。白石さんは、巻末に「あの海の涙をやさしさでぬぐおう。」と書き加えてくれました。ほんとうにありがとうございます。ナムチャイが心にしみました。津波―アンダマンの涙白石 昇 (著) 価格: ¥ 1,575 出版社: めこん (2009/03) ISBN-10: 4839602212 ISBN-13: 978-4839602215 「アンダマンスマイル展」もあと一日ですが。ここから、本当の「アンダマンスマイル展」が始まると感じた出来事でした。「アンダマンスマイル展」は、5/23(土)18:00まで、新宿区四谷4-20 四谷ひろば内 CCAAアートプラザにて入場料 200円