50年前の日本語のジャズを聴く
たまたま、古いジャズを聴きたくなったので、あるCDを欠けていたら、ちょうど、今から一年前に亡くなった、ジャズボーカリストの笈田敏夫さんの50年前の録音のCDだった。笈田さんは、ベルリンで、音楽関係の学者さんの元で生まれ。戦前は、ハワイアンバンドなどで活躍し、戦後は進駐軍相手に歌っていたそうだ。そして、今から50年ほど前の、1953年頃から、ジャズのスタンダード、当時のヒットソングやら、映画音楽を大量に、SP盤に録音したそうだ。このアルバムは、1953年から1954年にかけて、レコーディングされたものを、集め、一枚にしたものだ。曲の内容を見てみると、必ずしも、ジャズのスタンダードではなく、シャンソンや映画音楽が混じっている。これは、当時のアメリカのヒットチャートの上位の曲だったみたいだ。それを、英語と日本語を交えて、日本の歌手が歌うという企画ものだったのだろう。さて、このCDを聞いて、まず気がつくのは、独特の音の暖かさだ。録音されている音の周波数特性が低域から高域までフラットになっておらず、いわゆる、中域だけになっていて、これが、なんとなく、暑いところでは、日陰で、ゆるりとした自然の風を感じている感じの涼しさを感じ、寒いところでは、ほんわかと暖かい感じがするのだ。そして、翻訳した、歌詞は、独特の口語調であったり、編曲が「上を向いて歩こう」の中村八大が行っていたりと、日本のポップスの原型の一つが、ここにあるような気がする。半世紀の時の流れの中で、格段にレコーディング技術が発達し、楽器やコンピュータ、そして、音楽を聞く環境や、音楽教育が発展した。その時の流れを感じるとともに、今も変わらないも何かを感じるのが不思議だ。そして、限界を感じながらも、無理矢理伸びていこうとしている感じがある現代に対し、素直に、伸びていこうとしている感じが、少し新鮮に感じた。時々、古い音楽を聴いてみるのもいいものだ。http://www.amazon.co.jp/ より進駐軍時代のジャズ笈田敏夫価格: ¥2,500 (税込)CD (2003/12/17)ディスク枚数: 1ポプラト - ASIN: B0000TCKH2Amazon.co.jp 売上ランキング: 105,876 曲目リスト1.雨に唄えば2.ストレンジ・センセーション3.恋人よ我に帰れ4.枯葉5.泪のチャペル6.ラモナ7.奥様お手をどうぞ8.赤い風車の唄 9.想い出は巴里の空の下10.ワッツア・マラ・ユー11.面影のワルツ12.マイ・ショール13.恋してるのかしら14.アー・ユー・プリテンディング15.吹き荒ぶ風 レビュー内容(「CDジャーナル」データベースより)日本ジャズ・ヴォーカルの草分けとして洒脱な歌声を聴かせてくれた笈田敏夫。2003年9月に逝去した彼の、昭和20年代末に吹き込まれた名唱を収録。選曲が親しみやすく、編曲センスも抜群。残念ながら、楽天市場内では、販売されていませんでした。