カテゴリ:言葉(言語)・文字関連
<<売り家と唐様で書く三代目>> という川柳が江戸時代に作られた。
今日(こんにち)でもその言い回しが遣われることは稀にあるようだ。 この川柳の意味するところはこうだ・・・、 <<商家のお店(おたな)を初代創業者が苦心して築き上げ財産を残しても、三代目になると没落してついには家を売りに出す羽目になってしまう。けれど、その売り家札の筆跡は ”唐様(からよう)” で書かれてシャレている。つまり三代も経つと、道楽が過ぎて字は上手くなったものの家は没落するというように、本業をないがしろにしてつぶしてしまう人を揶揄したもの>> このような意味で使われている。 一般的にはそういう意味合いで使われるし、言葉辞典や書物にはほとんどすべてそのような意味とされている。 しかし、この言葉の意味を違う解釈をする人が居る。 その解釈はこうだ、<<唐様の書体とは ”顔真卿や欧陽脩(ともに唐代の著名な書家)らが書聖とも言うべき王義之の書を意識して大成したもの” とし、よってこの三代目は ”文化を習得したのだ” との解釈もできてしまう>> という。 例えば、道楽が過ぎて本当に馬鹿な奴だというように揶揄するのなら << ”うりいえ” と下手な字で書く三代目>> とならなければいけない。 これだと浪費の証明のようなものです。 「この唐様の字は、三代続いて築いた身代を無駄にすることと引き換えに培った ”文化” だと象徴的に表現しているのです」と。 そんな解釈をしている一風変わった人は ”明石散人(あかし・さんじん)” さんその人です。 この人のことは過去に何回かこの ”ねごとブログ” で書いています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.06.15 00:10:11
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