カテゴリ:言葉(言語)・文字関連
『郁子』。女性の名前ではありません。
いや、『郁子(いくこ)』そういう名前の知り合いも二人ほど居られました。 ここでは女性の名前ではなくもう一つの読みである『郁子(むべ)』についてです。 この『郁子(むべ)』というのは果実の名前で、アケビ科の常緑つる性の木で、アジアの温帯から亜熱帯地域に15種類ほどあるらしいのですが、日本に自生しているのはこの『郁子(むべ)』だけだという事が書かれておりました。 『郁子(むべ)』の花言葉は『愛嬌』という事のようです。何故その言葉になったかは定かではありません。 しかし、この果物『郁子(むべ)』の語源を調べてみると、その昔(おおむかし)天智天皇がシチュエーションは分かりませんが(今の滋賀県での話らしい)、8人もの子供がいるとても元気な老夫婦に出会い、「あなた達はどうしてそんなに元気で長生きなのですか?」とその秘訣を尋ねたところ、その老夫婦は「この地で採れる無病長寿の霊果を毎年秋に食べているからです」とその果実を差し出したという。 天智天皇は一口食べて「むべなるかな(もっともであるな)」と応えたという逸話が残っている。 また『郁子(むべ)』の木は ”七五三の縁起木” ともされていて、その葉は幼木の頃は3枚、成長するごとに5枚、7枚と増えて行くからだそうです。 <<因みに、七五三は11月15日(つまり今日)ですが、いつからいつまでにお参りしなければならないといった決まりはないということです>> この果実むかしは不老長寿の果物とされていて、それ以後毎年秋になるとこの縁起良い果実が皇室に献上されていた。その習慣は今でも続いているらしいのです。 ではそこでこの果実『むべ』を『郁子』という漢字で表すようになったか? が疑問になります。 いろいろ調べてみたのですが、それを明快に答えてくれている書き込みは無かったようです。 しかし、平安時代の分類体漢和対照辞書『倭名類聚抄』には『郁子』の訓は『牟閉』だとしているらしいので、漢字が日本に入ってきた段階で取り違えられたとも考えられると出ておりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.11.15 00:10:13
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