近年の風物死・・・ぶっ
夕張に全国から支援 財政破たんした北海道夕張市の市民会館で七日、新成人が中心となった実行委員会主催の成人式が行われた。例年六十万円あった市の補助金は全額カット、繰越金も一万円しかなかったため、新成人らが募金活動などで手作りした。 式には、帰省した人を含む新成人九十一人が参加。式典後の「ふれあい交流会」では、晴れ着やスーツ姿で、全国からの支援への感謝の気持ちを込め「ありがとう」の掛け声で乾杯した。 夕張市では例年、市の補助金で実行委が成人式を行っていたがことしは打ち切られ、専門学校生土屋美樹さん(19)ら実行委メンバーが市内のアルバイト先のコンビニに募金箱を置くなど支援を求めた。 報道されたことなどもあり、募金や市民のカンパ、全国からの支援金は計約二百三十六万円にも上り、励ましの手紙や支援の品物なども多数寄せられた。支援金は来年以降の成人式に引き継ぐという。 土屋さんは「今は感謝の気持ちでいっぱいだ。どこの成人式にも負けない、思い出に残る式になった」と涙ぐみ、神奈川県の大学に通う横川雄人さん(20)は「財政破たんは残念だけど、みんなが頑張っている姿を見て自分も励まされ、勇気づけられた」と話した。東京新聞 このように一生に一度の「成人式」をなんとしてでも行いたいという美談もあれば・・・ 年頭の恥ずかし風物詩と化している「荒れる成人式」。8日の「成人の日」を控えた7日、全国各地では新成人が暴れ、今年も逮捕者を出す騒ぎになっている。そもそも、成人式が荒れ模様になったのはいつからか。成人式お騒がせファイル」と題し、過去の騒動を振り返ってみた。一方、この日、財政破たんした北海道夕張市で、新成人による手作りの成人式が行われ、91人が門出を祝った。 《1》ルーツ “大荒れ”成人式が社会現象になったのは21世紀の幕を開けた2001年から。1月8日、高松市の成人式で祝辞を述べていた増田昌三市長に、新成人5人が突然駆け寄り、クラッカーを鳴らしたり投げつけたりして式典を妨害した。この映像がニュース、ワイドショーで繰り返し放送され、全国から非難が集中。同市は10日に、容疑者不詳のまま5人を威力業務妨害容疑で告訴に踏み切り、11日に、5人が高松北署に出頭し逮捕された。 それ以前にも成人の日に、新成人が逮捕されることはあったが、それらは成人式の後に酒に酔って暴れての逮捕者がほとんど。この“高松事件”の影響で、式典中に舞台に上がって、成人式そのものをぶち壊す成人が増えた。 また同年同日の高知市の成人式では高知県・橋本大二郎知事の祝辞中に約10人のグループが「長いぞー」「大二郎うるさい」などとヤジを飛ばし、知事が「出て行け!」と一喝すると「おまえが出て行け」と応酬し「帰れ」コールを合唱し、やりたい放題。このやりとりもワイドショーのネタとなり“劇場化”した。 《2》7人逮捕 毎年、お約束のようにトラブルが続く沖縄の那覇市では02年に、同一式典で7人の逮捕者を出した。 毎年、新成人が酒だるを持ち込み、グループごとに自分たちで鏡開きをする“儀式”が定番化している那覇市。02年1月13日の成人式では、那覇署が警官、機動隊180人をつぎ込み「厳戒態勢」で備えたが、新成人を含むグループが、酒だるを強引に成人式会場に持ち込もうとして、騒動になった。 「働いて買った酒飲んで何が悪い」「指示に従わない場合は公務執行妨害で逮捕する」などと2時間以上小競り合いが続く中、最後はワゴン車で会場の市民体育館の門扉前の車止めに向かって突進。警察がフロントガラスを破って引きずり出し、公務執行妨害で新成人ら計6人を現行犯逮捕。自転車で車両の通行を妨げた新成人も道交法違反で逮捕された。 《3》廃止 02年に7人の逮捕者を出した那覇市では、翌03年、最悪の事態を避けるため、市主催の式典を中止した。同年1月12日の成人の日には、これまでの統一式典に代わり、中学校区を中心に7か所で分散開催。沖縄県警は180人態勢で、各会場付近の警戒に当たった。 トラブルの原因だった酒の持ち込みを禁止したこともあり、いずれの会場でも混乱なく終了。しかし式典後には改造した乗用車を運転したり、定員を超えて車に乗ったりしたとして、沖縄県内で新成人計20人(うち11人が那覇市内)が道交法違反の疑いで交通切符を切られた。“荒れる沖縄”はいまだに健在で、昨年1月8日の浦添市では、軍歌を流したトラックを引き連れて同級生ら約30人と路上を横一列で歩き、市民会館近くの路上で、警察が臨時に設けた車止めを撤去した新成人が、公務執行妨害の現行犯で逮捕されている。 《4》著名人吉村氏激怒講演 騒ぎまくる成人たちには、式典に招かれた著名人もあきれている。99年1月、仙台市の成人式で講演した吉村作治早大教授(当時)が、おしゃべりなどに夢中の成人たちに激怒。それでも我慢し講演を続け、予定の時間をこなしたが、「ロックバンドでも呼んで、にぎやかにやった方が良かった。もう成人式では絶対に講演しない」と宣言した。 昨年は、岩手県盛岡市の成人式に招待された覆面プロレスラーのザ・グレート・サスケ岩手県議(当時)が派手な“場外乱闘”を演じた。市長のあいさつ中にクラッカーを鳴らした成人たちにぶち切れ。もみ合いとなり一時は、10人以上に囲まれ一触即発の事態になった。「市長の身に何かあったら危ないので、たまらずカバーに入った」とサスケ氏。一方の軽くもまれた形となった成人は反省の色はなく「サスケとのからみ。いい感じだったでしょ」などとうそぶいた。 《5》市長 やりたい放題の成人たちは怖いものはないようだ。04年1月、大阪府交野市の成人式で、無職の男(20)が壇上に駆け上がり、祝辞を述べていた市長の顔面に生クリームを投げ付ける暴挙に出た。警察の厳重注意を受け、事の重大性に気づいた男は「えらいことをした。市長に謝りたい…」。 同じ年の静岡県伊東市の成人式では、酒に酔った新成人の一部が、市長のあいさつ中に「うるせー、ハゲ」「景気を良くしろ」などと暴言を連発。壁に掲げられた市民憲章の垂れ幕を引きずり下ろすなどしたため、市側は一時、刑事告訴を検討したほどだった。 中には反撃に出る市長も。01年1月、埼玉県深谷市の市長が、私語をやめない新成人に怒り、祝辞を取りやめ、手にした式辞をステージ上にほうり投げた。市長の豪快なキレっぷりに翌年の成人式は静寂そのもの。市長は「見捨てたものじゃない」と感心していた。 《6》宴の後 式場で酒に酔いしれた成人は場外でも傍若無人ぶりを発揮する。05年1月、広島県呉市で成人式出席後、泥酔した男(20)が交差点でなんと立ち小便。その一部始終がテレビニュースで全国中継される珍事に。後日、男は「恥ずかしい」と名乗り出たが、「白昼堂々と放尿したのは極めて悪質」(警察)と軽犯罪法違反容疑で書類送検された。 02年1月には静岡県掛川市で建設作業員の男(20)が、中学時代の同級生らと飲んでいたところ、顔見知りの男性(20)と口論。刃物で胸や腹を数回刺し、殺人未遂容疑で逮捕された。男は成人式に出席しておらず、男性から「なんでおまえが来たんだ」などとなじられたことに腹を立て、事件となった。(2007年1月8日06時05分 スポーツ報知) 毎年のように繰り返される馬鹿成人たちの乱痴気騒ぎの沈静化はまったく進展しない。去年も書いた気がするが、成人式とはひとつの社会秩序に組み込まれる儀式である。社会責任の負荷が増し、国家を支える大きな期待もかかるというもの、そのようなある種の覚悟を決め区切りをつける成人式というものを単なるお祭りとしか考えない一部の馬鹿が破壊しているこの惨状を、もういい加減に修正したほうがよいのではなかろうか。最低限のモラルを守れない人間が成人などとは片腹痛い、今年も荒れる成人式のニュースで報道枠は埋まるのだろうか。*トップページ雰囲気変わりました。 一 夢 庵 風 流 日 記