毒だから効く(2)
漢方エキス製剤が、保険適用になってから漢方薬は随分と一般化した。 保険適応になって、安価に服用ができるようになった半面、その弊害も無視できないものがある。 一つには、西洋医学的感覚で漢方処方を出すことによるものだ。 風邪の予防のためにと、葛根湯を処方。花粉症治療のためにと言っては、小青竜湯を処方。 どちらの処方も、発汗を促し気を発散させる。漫然と服用すると、徐々に気を消耗する。 結果、冷えっぽい体になり、病気にかかりやすくなる。 患者も医師も気がつかない。 誠に嘆くべき状況だ。 これはほんの一例・・・数え上げればキリがない。 もう一つは、腕のある実費治療の漢方薬局が激減したこと。効果がないと、高価なお薬を服用しませんでしょう? 実費で高価であるからこそ、患者も医療者もより互いに真剣に対峙するという面がある。 安易な関わりが、無くなると言うことだ。 東洋医学をしっかりと学ばれている医師もいらっしゃるが、まだまだ少数。 かつて小柴胡湯を投与したことで間質性肺炎で8名の死亡者が出たが、新聞では漢方の副作用との報道がなされた。東洋医学には、西洋医学のような副作用は無い。 あるのは誤治のみ。 莫大な費用を投じて、原因を様々な角度から研究しているが、実に馬鹿げたことだ。 問題の本質的な原因は、医療原理の違う漢方を、西洋医学的に用いたことによって生じた事故であるということだ。実に、簡単なことだ。 解決には、一銭も費用はかからない。 東洋医学的に、身体が表現しているものを、的確に捉え処方すれば、副作用は一切ない。 もう一度言う。 あるのは誤治のみ。 その点は、鍼も漢方も同じ。