義父の商い
【三ツ目が行くでやんす】番外編 ≪義父の商い≫ 土曜日はほとんど一日中爆睡していやした、ふなやゆうじでやんす きのうの夜、義父が名古屋から ふらふらになって帰って来やした。 なんせ、泊まりかと思ったら日帰りでやんすから、 運転手を頼んだとはいえ、 狭いクルマの中に義母とあわせて3人旅は疲れたでやんしょう。。 名古屋で、紹介された会社の社長さんが、何点か品物を買って下さった。 ま~良かったというべきか。。しかしオヤジは満足していない。。 田舎から出てきた、金に困った道具屋のように扱われたのが よほど悔しかった様子でやんす。 きちょうめんな義父は品物をめでる様にして 約3時間もの間、丁寧にていねいに説明していたそうでやんす。。 しかし義母さんの話によると、 値段を叩きにたたかれ、 相手に足元を見られたのがわかった時 すぐに品物をしまい込んだそうでやんす。 そしたら相手の社長さんは急に低姿勢になり それまでお茶も出さなかったのに 奥のコレクションルームに通してくれたそうでやんす。 中で義父が見たものは・・・、 自慢げに話す相手が可哀そうで、 じっと話を聴いてから、お礼を述べてさっさと引き上げたそうだ。 『大切な九谷を売らんで良かった。。 値打ちの分からん人に値段を言われてもなあ。。』 ・・・あっしの同意を求めるように 振り返って言うオヤジ。。 あっし、いつものようにタレ目のまんま、・・・黙って聴いていやした。 ・・・しばらくして義父が あっしの顔を じーーーっと覗き込み 大きな眼を開けて、上目遣い(うわめづかい)に ニタ~っと笑った。。 『まっつぁん!(義父はあっしのことをこう言いやす)、 名刺をもう30枚ほど作ってくれい!!』 『よし来た♪ そう来なくっちゃ♪』 あ・うん とは、この事でやんすな♪ ・・・風林火山(大河ドラマ)を 悠然と観ている姿は けっこうカッコいいでやんすよ♪ オヤジ!!