「産褥記」 吉田紫磨子・著
吉田紫磨子さんの「産褥記」もちろん、手にいれました。感想「おもしろい!」以上。じょーだんです。しかし、この「オモシロサ」はなんなのだろう?なかなか、うまく表現できなくてくやしいです。本文よりも、その欄外に埋め込まれた、いや、飾られている「手書きのイラスト」のインパクトのすごさ!これがこの本を一気読みさせてしまう、魔力なのだろう。この「イラスト&手書き文字」がこの本の中では“エッセンス”や“スパイス”ではなく“メインディッシュ並”となっている。そこが「オモシロイ」のツボです。モチロン、内容もさることながら。読みながら、自分の産後のことを思い出していました。私は、病院からもらったミルク会社の「私の育児日記」みたいなのをつけていた。一人目だし、なにも知らないし、まじめだったし、イイと言われたことは疑わなかったから。でも、それって、赤ちゃんの1日がメイン仕様の日記でした。タイムスケジュールが縦長にあってそれが9割。そして、その下の小さい長方形空欄があった。自分のことは、ココに書けってことだったのか…記入例には、10時ミルク200cc。11時ウンチ。13時30分ミルク200cc…まるで、赤ちゃんの観察記録でした。そして、赤ちゃんのことばっかり、熱心に記入していて自分の体調をかんじることは、なかった。そして、悪いこと、嫌なこと、ネガティブな感情は後で、読み返したときに残ってあるとといやだからキレイな日記のままで残しておきたいと思って一言も書かなかった。まさに、くさい物にはフタの発想でした。キレイなことだけを並べた空虚な日記でした。そんなことを思い出しながら【わたしの産褥日記】なるものが、あるとオモシロイかもと思った。欄外には「そろそろ、離乳食をはじめましょう。」とか「日中にお散歩をしましょう」とかではなく「そろそろ、赤ちゃんの一時預け先を調べてみましょう」とか「手元にある雑誌に、ソレはちゃうやろ~!とツッコミをいれてみましょう」とか書いてあるの。日記記入欄は、タイムテーブルではなく、白紙。1週間のうち1ページは、マインドマップ形式になっていて今週は次のテーマから選択してみましょう「仕事・人生」とか。地元にまだ、訪問してくれるような友達がいない人。仕事をもっている友達がほとんどの人。日中、ひとりでぼんやり過ごしている人って少なくないと思う。そんな人が、自分で自分のこれからを考えるようにナビゲートするような日記があると面白いだろうな~と思いました。