とあるくにのおはなし・３
『りんごとひこうふく』たびびとは、もちかえったりんごをひとつはじぶんように、そしてもうひとつは、やどのひとにパイをつくってもらうようおねがいしました。たびびとはへやにもどって、まずはりんごをぴかぴかにみがきあげました。そして、ひとくちかじりました。しゃくっと、かるいいいおとがしました。すると、くちいっぱいにあまずっぱいみつがじゅわっとひろがりました。たびびとはしばらくそのあじをあじわってから、あとはぜんぶたべてしまいました。そのうちに、りんごのパイがやけるいいにおいがながれてきました。たびびとは、じぶんのひこうきにいろをぬってもだいじょうぶかな などとかんがえながらパイができるのをまちました。すこしじかんがたってから、やどのひとが、パイのできあがったことをしらせにきました。たびびとはすこしかんがえて、じぶんのぶんを２きれとると、のこりはやどのひとにわけてあげました。やどのひとはとてもよろこんで、たびびとのパイにアイスをそえて、すこしおそいおちゃのじかんにしてくれました。たびびとは、さっきりんごをひとつたべおえたばかりだというのに、パイをたのしみ、おちゃもたのしみました。そのとき、かべにかかっているふるいえに、たびびとはきづきました。ぴったりとからだにあわせたふくを、なんにんかのひとがきてたっているえでした。たびびとは、やどのひとにあのえはなんですか？とききました。やどのひとは、あのふくは、むかしのいろまつりのえだとおしえてくれました。いろまつりのときには、からだにぴったりあわせたひこうふくをきるひとがおおいのだそうです。やどのひとは、たびびとのぶんもふくをつくってあげるといいました。そして、おちゃがすんでから、たびびとのからだのあちこちをはかりました。やどのひとに、なにいろのふくがいいですか？ときかれたので、たびびとはどんないろがあるんですか？とききました。すると、やどのひとはわらって、いろみんぞくにつくれないいろはないですよ といいました。たびびとは、たべたりんごがとてもおいしかったので、りんごいろをおねがいしました。そして、りんごとパイでおなかがいっぱいになったので、ゆうしょくのじかんをずらしてもらい、へやにもどりました。ベッドのうえでかんがえごとをしているうちに、たびびとはうたたねをしてしまいました。そとでは、おんなのこたちのかいものがえりのわらいごえがひびいていました。
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