森林伐採 2024.1
バイオマス発電のために森林が潰されていく様子は痛々しい。バイオマス発電の燃料用に木を集めるため、重機が山肌をけずり、足場をつくりながら奥まで入り、木をなぎ倒し、それを重機が運びだす轟轟とした様子は、バイオマス発電の環境への好イメージとは程遠い。 バイオマス発電はもともと国が進める電気買い取り制度に依拠したものらしい。ビジネスとは、創意工夫を重ね、魅力ある商品・サービスを市場で競い、鍛えた優れた商品・サービスの供給により社会貢献し、三方よくたくさん儲けてたくさん税金を納めるのが、本来の姿だが、環境ビジネスと呼ばれるものは、ビジネスとは程遠く、公金をあてにした単なる儲け話として行われている気がする。 伐採は森に復元するまで責任を負ってなされるようになっているのだろうか。太陽光発電と同様に金目当てに売り飛ばしてしまうようなことはまさかないのだろうか。燃やして発電するまでには多くのエネルギーと資源を消費しており、森林の復元なくば、寧ろ、自然を破壊しているだけになる。 EVは、使用する資源とエネルギーを車両の製造・流通・使用・保守・廃棄、発電・送電・受電までトータルで見た場合、内燃機関やハイブリッドよりも環境面で優れているとは言えないと昔から指摘はされていたが、メディアや行政を筆頭に米欧のEVの欺瞞に流されてきた。バイオマス発電もそれと同じ構図にあるとしたら適わない。 うたい文句で扇動し、盲目的に従わせ、補助金をはじめ各種の優遇措置により誘導し、国の財源にたからせることは、不健全な社会運営である。こうした不健全なことを行政が行っていることになる。こうした行為を正すのは、政治なのだろうが、野党は論外、与党も利己的世渡り芸の衆で末期的になってきた。稼業とする家業政治が根源悪との主張を最近聞き、頷けてきた。メディアはもとより、学者も稼業化した歪んだ仕事により、事実と本質とそれに基づいた正しい進路を見失わせている。 森の傷跡はみたくない。