いつかどこかで

高２・高３のクラスでは、１年の初めに、

「毎月１回、自由英作文を書いて提出すること」

という課題を出しています。

みんな、激しく嫌がります。当然ですね。正直、わたしだって
書かなくていいなら英文なんか書きたくないですから　^^;
でも、放っておいてもできる事なら、宿題にする必要もないわけで、
嫌がられるのを承知で、宿題として課します。

当然予想されることですが、みんな書いてきません。英作文を書く
のが好きな高校生なんていませんから。

そこで、嫌われるのを覚悟で、催促します。

先週、「じゃあ、短くていいなら書いてくる」と言っていた高３の
生徒が、今日、顔を見るなり、

「書いてないよ」と言うのです。

「じゃ、来週ね」
「う～～～ん」
「待ってるから、来週ね」
「じゃ、先生、前の日にメールして」

わたしは目を丸くしてしまいました。

「忘れないように、ってこと？」
「うん。」

「あなた、大学を受験するんじゃないの？」
「うん」
「来年は大学生になるつもりなんでしょ？」
「うん。・・・？」
「甘ったれるんじゃないわよ！」

珍しく（たぶん、珍しいと思うんだけど）大声を出してしまった。

大学というところは、自分で選んで自分で学んで自分で探求する
ところだから、やる気のない学生は何もできずに終わってしまう。
大学生になろうというのに、そんな甘ったれた気持ちでどうする！！

そんなような話から、大学での単位の話とか、自分の学生時代の
失敗談とか、昔話をひとくさりしたわけです。

でも、後になって考えて見ると、この生徒が特別甘ったれで情け
ないというわけではないんだ、ということに気がついたのです。

授業に来ていない生徒がいると、来ている友達がすぐメールを
送り、「先生、バスに乗り遅れたので遅刻するそうです」と
報告してくれる。

塾の入り口には、登下校を記録するカードパンチャー（？）が
あって、カードを入れると、お母さんの携帯に「登校しました」
「下校しました」とメールが届く仕掛けになっている。

わたしも、調べたいことがあれば、すぐにインターネット検索で
済ませてしまうので、図書館に行ったり、古本屋を漁ったり、
などという手間をかけることがほとんど無くなった。

便利すぎるんですよね。

甘ったれるなと言われたって、「え？なんで？」と、キョトンと
するのも当然なのかもしれません。

でも、やっぱり、なんか違う気がする。
どこかおかしい、そう思うんです。


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（腹式呼吸、１２日目、２セット実行）