|
カテゴリ:そのた
ひとつの言語を学ぶということは、その背景にある文化を学ぶ
ということと99%イコールだと、わたしは思っている。 生きている人間が話す言葉だから、だから面白いんだと思って、 そういう思いで英語を教えている。 新聞の国際・海外面を見ないような英語の教師じゃあ、面白い 授業なんかできないと信じている。 「世界史、勉強しようよ。」 「やっぱり必要ですか?」 「わたしもイヤイヤ勉強したけど、入試のためにでも勉強して おいてよかったと、今になって思うもの。」 「でも、すぐ眠くなるんです・・・」 なるほど。 ある学科を勉強していてすぐ眠くなる、という場合、原因は はっきりしている。 どこか基本的なところで、積み残していることがあるはずだ。 そこで 「たとえば、コロンブスがね、アメリカ大陸を発見したという 歴史的事実から、どんなことを考える?」 という話をしながら、世界地図を黒板に描いて行った。 そして、彼女の問題がすぐに判明した。 地理が頭に入っていない。 だから、コロンブスが、バスコ・ダ・ガマが、などと聞いても、 全然ピンと来ないわけだ。 眠くなってあたりまえ。 「地理は、受験科目じゃないから、いらないと思って・・・」 ああ・・・・地理の先生は、なんのために地理の勉強をするのか、 ちゃんと話してくれなかったのかね。(自分もわかっていなかった のかも・・・) まだ高2だから、間に合うから、まず地理の総復習をしようよ。ね。 地理を勉強するときは、必ず、自分もそこへ行って立って見ること。 「え・・・?」 イタリアならイタリア人になって、ほらこの長靴の南のはしっこに 立ってごらんなさいよ。地中海のすぐ向こうにアフリカがある。 東に行けば、イスラム世界も近い。 世界地図を見ようよ。特に、言語地図、宗教地図を見ると、世界の 歴史が浮かび上がってくるよね。 地理と歴史を勉強すれば、言語を勉強しても、政治経済を研究しても、 映画を観ても、小説を読んでも、ぜったいぜったい、そのほうが 面白くなるから。 なんて、進路指導から大きく外れて、世界史の話をしてしまった。 「なんか、全然違う話になっちゃったね」 「いえ、いいんです。勉強する気が出てきました。」 「そっか。」 「はいっ!がんばります!!」 がんばれ、英語教師になりたい高2のMさん! それにしても、世界史も地理も最低点だった私が、こんな下手な 世界地図を黒板に描きながら、世界史と地理の話をするなんて、 思ってもみなかったナ(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年01月26日 23時22分50秒
コメント(0) | コメントを書く
[そのた] カテゴリの最新記事
|
|