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カテゴリ:本・音楽・映画等
今日封切りになったハリーポッターの最終章(邦訳は「死の秘宝」だっけ?)を早速観に行ってきた。 ブログの過去記事を探してみたら、小説版の最終巻を読了してからもう4年じゃん。 もちろんオレは40代半ばのオッサンなのでハリポタのファンというわけではない。わざわざ封切当日に観に行ったのは、小説で700数十ページもあった最終巻は映画では前編と後編に分けられているのだが、昨年観た前編の映画がけっこう面白かったのと、あと小説の終盤にあるハリポタが悪の帝王に殺られた後の幻想シーンがどんな映像で表現されているか確認したいとずっと思っていたからである。 学校はすでに夏休みに入っているので映画館は子供から老人までの観客で比較的混んでいた。 映画が始まってすぐに「失敗した!」とちょっとだけ後悔したのは、前編の「おさらい」をしておかなかったため、映画の導入部がピンと来なかった点だ(笑)。1週間や長くとも数ヶ月待てば続きが見れるテレビドラマと違って、1年もブランクが空くと、前編がどんな場面で終わったかを忘れてしまっているのが中年オヤジの哀しいところか。 とはいえ、映画はけっこう原作である小説版に忠実であった。オレの感覚だと、悪の組織と魔法学校との戦闘シーンは原作ではもう少しバイオレントかつカタストロフィックに表現されていたと思うが、さすがに子供向けに配慮したか、あまり血みどろなシーンはなかった。でも、ちゃんと原作に忠実に、筋書き上死ぬ必然性のない登場人物でもちゃんと殺されている点には関心した(笑)。 まあハリーをはじめ登場人物はみんな高校3年生になっているので、けっこう露骨な絡みのシーンが随所に出てくる。ハリーやハーマイオニーのキスシーンなんかが出てくると、恥ずかしさに耐えられなくなったティーンエージャーの観客の「キャー」と「ヒィー」の中間みたいな押し殺した嬌声があちこちから聞こえてくる(笑)。たしかに親と一緒に観に来ている子供はあれらのシーンでけっこう気まずい想いをするのではないか(笑)。 面白いのは、なにせ10年前に封切られたハリポタのシリーズ第1巻では小学生だった登場人物・俳優たちが今では20歳前後に成長し、当時とはイメージがかなり変わってしまった人物がいる点だ(笑)。ハリーの宿敵であるマルフォイを演じる少年は髪の毛がかなり薄くなり、イジワルな悪ガキの迫力がずいぶん薄れた。スネイプはゲイにありがちな中年太りか顔がかなりふっくらして(笑)、ダークで陰湿なイメージがすっかりなくなってしまった。いちばんイメージが変わったのはイジメられっ子役のネヴィルで、ノロマなちびデブだったのがエライ成長し過ぎてしまい(笑)、どちらかと言えばイジメっ子役が似合いそうな堂々としたニーちゃんになっていた。 ハリーはさすがに主役なので常日頃からイメージをコントロールされているのか、この年齢になってもハリポタらしさをちゃんと保っていた。最後の「19年後」のシーンでも、ほかの俳優は20歳老けさせるためのメイクさんの苦労の痕がしのばれるのだが(笑)、ハリー役だけはいかにも30代の父親らしい風貌をしていた。さすが主役を務める俳優だけある。 ところでオレが期待していた、ハリーが敵の陣地に単独で赴き無抵抗な状態で悪の帝王から“殺しの呪文”を浴びて死んだ後の例の幻想シーンだが、オレが小説で読んだ時のイメージにかなり近くて満足した。映画作成側がヘンな解釈を加えずに、原作の描写をそのまま素直に視覚化した点にとても好感が持てた。小説版を読んであのシーンが理解できなかった人たちは映画版を観てもピンと来ないままであろうが(笑)、まああれは(特に子供は)解からなくて普通だと思っていいと思う。あれは作者のJKローリングスの私的なこだわりを凝縮したシーンだとオレは思っている。 まあそんなわけで、原作の小説を読んだことのある人か、これまでのあらすじを映画版で観て知っている人は、ハリポタ映画最終編を観てけっこう満足できると思う。なにせ10年のスパンにわたった長い物語であっただけに、もう彼らの「その後」を小説でも映画でも見れないと思うと、ちょっと寂しい感じはあるなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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