新年度スタートと再会のワイン
大阪に戻ってきました。いろいろとしていたので、最近の更新がおろそかになっていましたが、それは徐々に書き込むつもり。やはり、東京の方が暖かく、桜は満開だが、大阪は少し冷える。東京はやはり、ヒートアイランドの現象が大きいのだろうか。九州でさえ、まだ桜が咲き始めたところも多いというのに・・・。しかし、今日は遅番とはいえ、新年度の始まりの日。仕事を普通にしてきました。・・・えーと、エイプリル・フールは何も考えていません。去年は、異動がウソだったのではないかと、最後まで疑っていましたが。(^^ゞさて、深夜に帰宅して、またまたヤナギヤさんのメールをチェックしていたところ、なんと、カリフォルニアワインのニュートンの輸入が別のインポーターで再開されるとのこと。ニュートン ピノノワール ナチュラリー ファーメンテッド スペシャルキュヴェ 2000去年はもうコレ↑で打ち止めだったのですが、今回はこういう事情でのこと。これまで日本の正規インポーター、ホンダ・トレーディングの希望小売価格は8,000円とされていました。現地定価は$50です。高いとお思いですか?本国では割り当て制にて配布されるほどの人気で、ここ3年のアベレージはパーカー95点、しかも≪米3大シャルドネ≫とまで呼ばれるカルトです。現地ですら$50では手に入らず、正直8,000円でも安いです。3大シャルドネを比較してみるとこの元々の安さがよくわかります◆マーカッシン・マーカッシンVYD 現地定価:$90⇒日本市場約50,000円◆キスラー・ハイドVYD 現地定価:$60⇒日本市場約17,000円◆ニュートン・アンフィルタード 現地定価:$50⇒日本市場約 8,000円決してホンダ・トレーディングの設定価格は高価ではなく、むしろこれほどの評価がありながら安い部類だったのです。しかし昨年12月、あまりに突然な、そしてあまりに悲しい通達がホンダ・トレーディングより届きました。「今年いっぱいでニュートンの取り扱いを終了します」このワインの安さ、そして素晴らしさを良くご存知なファンの方々からは絶え間なくご注文を頂き、昨年12月、遂に当店最後の在庫も完売。昨年のみで150本というこれほどの高級品としては圧倒的な支持をいただきました。「遂にお別れか・・・」私イナムラ@てんちょ、完売直後は虚無感にも襲われましたが、めまぐるしく新たなワインが入荷する忙しい毎日の中で、1週間も経てば、その記憶も薄らいでいました。それから2ヵ月後の2006年2月、当時の輸入停止騒動もすっかり忘れていたとある日の午後、ヤナギヤのみならず、ワイン業界に激震が走ります。「ニュートン販売開始のお知らせ:ディアジオ・モエ・ヘネシー社より」○ディアジオ・モエ・ヘネシー社とは ■あのルイ・ヴィトンでもお馴染み、パリ株式市場上場企業中トップクラスの時価総額を誇る仏『モエ・ヘネシー・ルイ ヴィトン社』が英『ディアジオ社』との合弁企業として設立した輸入商社。幅広い高級輸入洋酒のトップ・ブランドを揃え、日本国内に於ける輸入洋酒業界の最大手のひとつです。取り扱いブランドはワインだけでも『仏ドン・ペリニヨン』 『仏シャトー・ペトリュス』 『米ドミナス』 『NZクラウディー・ベイ』 『伊ガイア』など世界のトップメーカーが揃い、他にブランデー・ウィスキー・スピリッツなどにおいても大変な力を持っています。 ただし、我々ワイン関係者が驚いたのは、国内最大手の輸入商社が日本市場にニュートンを復活させたことではありませんでした。何より信じられないその価格に愕然としたのです。■ニュートン・アンフィルタード・シャルドネ・2003(パーカー95点) 希望小売価格⇒4,500円ウソでしょう… 旧インポーターホンダ・トレーディングの8,000円という希望小売価格だって、よく入手した、よくこの価格で抑えたなあという我々にとっては本当に嬉しい設定価格でした。いくらディアジオ・モエ・ヘネシー社が最大手とはいえ、現地$50を下回る価格設定をしてくるだなんて信じられなくて当然です。・・・というわけで、春の一本として大阪での花見用に、購入決定。○【パーカー95点:US最高峰カルト・シャルドネ】 ニュートン シャルドネ アンフィルタード 2003 ■ 果実エキスの高い密度に満ちたたっぷりのアロマには圧倒…。黄金色を放ちながら波打つ液面は、トロみや粘性を飲まずして連想させるゴージャスな輝きがある。口に含めばあたかも葡萄の実をかむような凝縮感。ネクターにも似たその強い濃度あるアタックに打ちのめされます。これが3大シャルドネの一角の凄さ。 高級なパッションフルーツの生っぽさや取れたての鮮度、多彩でしっとりとした熟成感を同時に感じさせ、ハニーやメイプルシロップの甘みを一瞬だけ感じますが、柔らかく豊かな酸味がリッチな果実味に爽やかさを与えています。 品のあるほどよい樽香を感じさせつつ、アフターにはエレガントさやノーブルさの用意もあり、雄大で… 深く… 上品… そんな余韻がいつまでもいつまでも消えずに続きます。〇ニュートン シャルドネ レッドラベル 2004 ■ 上記アンフィルタードと同じくらい衝撃を受けたのがこちらのノーマル・クラスのシャルドネ。アンフィルタードに比べ、その透明感自体に抱えもつ果実の爽やかで深いアロマがあり、むしろこちらのほうが美味しいと感じる人すらいるかもしれないその清楚な果実味には、若い白桃やゴールデン・デリシャスあるいは白い花の匂い、さらにはカリン、洋ナシなどまさに果樹園の彩り。 柔らかくもどこか凛とした輝きある酸味が、奔放に舞う多彩なアロマを優しい輪郭でくるみます。トースティーさを含んだ純粋で繊細で伸びのある酸味がしなやかなボディーと一体になった瞬間は、もうグゥの音しかでない高級ブルゴーニュの旨み。 本格的な料理から魚介類、あるいは甲殻類、そしてパスタやサラダまで、これ1本で何でもこなせる包容力のある、そしてしかも誰からも愛される、いや愛すべきシャルドネです。素晴らしい。 とりあえず、早く飲んでみたい。きっと、大阪で花見ができる頃には、届くでしょう・・・。