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July 5, 2024
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「宿業」について つれづれに

 

まず、基本的なことをいうと、

 

例えば、過去世の宿命で今が何か問題があるといったとき、その問題というのは、「病気」「障がい」「貧乏」なのですよね。

 

ということは、それは「悪いことなのか」という素朴な疑問がありますよね。

 

 

日本の障がい治療の原点と言われる呉秀三医師は、精神障がいにとっての悲劇は、「日本の国に生まれたこと」と述べ、むしろ、日本社会のほうに、問題があるとしています。

 

 

今の世界的な「障がい」のとらえ方というのもそうですよね。社会のほうが、変わらないといけないというね。

 

 

「障害」だけでなく、今、世界の標準的な考え方(rightbased approach)では、「努力するのは社会の側」というのが普通になってきています。

 

 

難病について、同じような考え方が主流です。

 

遺伝子レベルで、何万分の一の確率で発生する難病にたまたま罹ったのは、その人の問題ではなく、

 

むしろ、私たちが罹ったかもしれない病気に、その人がなってしまったのだから、罹ってない私たちは、申し訳ないと支援しよう、という考え方が主流です。

 

 

次に大聖人の「価値観」を考えてみます。

 

「蔵の財より身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり」

 

というのが、大聖人の価値観ですよね。

 

蔵の財闇の財よりも、心の財に価値をつけていくわけです。

 

 

だから、例えば、あの社長は傲慢だ。社員に非人間的な扱いをする。それで大もうけしている。あいつは、よほど過去世に宿業積んできたに違いない。

 

というように、

 

もし、もし、過去世の宿業とかというならば、「今」については、「こころの問題」を考えねばならないですよね。

しかし、財や身体の問題を宿業と考えるのは、これは世法です。世間の考え方です。

 

 

かの仏の御法(みのり)を聞けば、富と貧(まず)しきは前世(さきのよ)の脩(よき)否(あしき)によるとや。此はあらましなる教へぞかし。前世にありしときおのれをよく脩(をさ)め、慈悲の心専らに、他人(ひとこと)にもなさけふかく接(まじ)はりし人の、その善報によりて、今此の生(しやう)に富貴の家にうまれたり。おのがたからをたのみて他人(ひとこと)にいきほいをふるひ、あらぬ狂言(まがごと)をいひののじり、あさましき戎(えびす)こころをも見するは、前世(さきのよ)の善心かくまでなりくだる事はいかなるむくひひのなせるにや。仏菩薩は名聞利要を嫌(いみ)給ふことこそ聞きつる物を、など貧福の事に係(かか)づらひ給ふべき。

 

前世で、いいことをしたから金持ちに生まれたのならば、金持ちが傲慢に他人をののしるのは、いったい、どんな因縁があるのかね?

仏菩薩は、名聞冥利を嫌うはずなのに、宿業論は、なんで貧乏金持ちにこだわるのかね。

 

シンプルですが、まさにそうです。

 

心の財がだいじなんちゃうん。

 

 

 

【友岡雅弥さんの随想】






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Last updated  July 5, 2024 04:06:30 AM
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