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July 19, 2024
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カテゴリ:コラム

朝顔は左巻き

武庫川女子大学名誉教授  丸山 健夫

朝顔の花をのぞき込む観察者にとって、朝顔のツルハ自分たちの方に左巻きで向かてくる。ところが朝顔の立場になれば「私は天に向かって右巻きで登っている」と答えるだろう。朝顔はどっち巻か。牧野富太郎博士は、左巻だといった。

回転に人間がどう名前を付けようとも、朝顔のツルハ一定方向に回転する。自然界とは不思議なものだ。ところが人間界にも、右巻きと左巻きがあるのに、一方しかないモノがある。

サイコロもの一つだ。

サイコロを、123面が一度に見える方向につまんでほしい。だが今ではサイコロを見かけることがない。そこでインターネットで「サイコロ」と検索してみよう。

まず1の目に着目する。そして2の目に視線を移し、さらに3へと進めば、サイコロの角まわりで123を追う目が開店する。さてどっちに回ったか?実はサイコロは、左と決まっている。右巻きならば、誰かが勝手に描いた絵のサイコロだ。

1の目の裏が62の裏が53の裏が4。対面の合計が7は有名だ。この規則を守りながら、面の位置関係は二通りできる。

化学の世界では、このことはよく知られている。同じ原子の組み合わせでも、鏡の前のサイコロと鏡の中のサイコロのように、立体構造には二通りある。人間が化学合成すれば、どちらにもなりうる。だが自然界では朝顔のように、どちらかであることが多い。

化学合成で、必ず一方をつくりだす技術を発見し、ノーベル賞に輝いたのが野依良治博士だ。

朝顔の観察にもノーベル賞のタネが潜んでいる。そろそろ小学生が朝顔日記を始める頃だろうか。

 

 

 

【すなどけい】公明新聞2023.5.12






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Last updated  July 19, 2024 04:10:59 PM
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