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September 30, 2024
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カテゴリ:コラム

寄席の割給金

落語家  桂 米多朗

先日、最低賃金の全国平均が、初めて1000円を超えた、とのニュースを見ましたが、私は落語家になった35年前は、寄席での前座の最低賃金は300円でした。時給じゃなくて日給です(笑)。

今の前座は、最低1000円は貰っているみたいです。

とはいっても、我々出演者も都内の寄席では、前座と大して変わりはない、いや前座の方が真打よりも多く貰っている事もある。それは、前座は固定給ですが、我々出演者は「割給金」と言って歩合制になっているからです。

私は中堅真打で「220銭」をお客様の人数でかけた額がギャラとなります。つまり今の来場者数が1000人だったら、「2200円」、10人だったら「22円」。これじゃ交通費にもならないので多少割り増しはありますが。

寄席に10日間出演したら、その後の楽屋で、封筒半分くらいの「割袋」を渡されます。後ろに5000と記されていたら、その数字が10日間のだいたいの来場者数で、私の場合は「11000円」現金が入っています。

この割数は、落語家の年功序列ですので、笑点に出演している有名人でも私と大して変わりなく、うたまる師匠も生前450銭だったとか……。

昔から先輩たちも文句を言ってないので、我々も「給金を上げろ」とは言えず、代々受け継がれていくことでしょう。

また寄席は毎日興行していますので、満席もあれば少ない時もある。寄席は修行の場でお金御稼ぐ場所ではないといわれていますが、落語家も貯金も、高座(口座)が一番。落語家は寄席で噺を落とし、お客様は寄席でお金を落とすのが一番とも言われています。どうぞ寄席にお越し下さい。

 

 

 

【すなどけい】公明新聞2023.8.18






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Last updated  September 30, 2024 10:01:16 PM
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