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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2010年01月19日
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今日はニコちゃんを朝9時ごろ幼稚園に連れて行った。
ニコちゃんのクラスは、「7時から13時まで」と「7時45分から12時+14時から16時」の2通りの保育時間の子が預けられている。
だから、9時なんて、みんな遊びの真っ只中。
昨日は、12時近くまで預ける必要があったので、10時ごろ連れて行った。
そしたら、すでに遊び道具のお片づけが終わり、別のプログラムになっていたので、ニコちゃんのおきに入りのレゴで遊ぶことはできなかった。
朝登園してから9時半ー10時ぐらいまでが自由に遊ぶ時間のようだ。
それで、今日はちょっと早く連れて行ったというわけ。

靴を履き替える場所ですでに、「家に帰ろう!」を連発。教室では、先生が、5-6歳の子供相手にボードゲームをしていた。他の子は、お絵かきしたり、工作したり、ままごとをしたり、それぞれ。
ニコちゃんは、何にも興味を示さないで、ひたすら私の手を引いて、「おうちに帰ろう!」と繰り返す。
先生が来て、「ニコ、おはよう。」と手を出してくれたのだけど、握り返すことはせず、無反応。先生のことを、この幼稚園では、Frau(フラオ:英語で言えばミスとかミセスにあたる)XXXと呼ばせる。昔、恵子たちが通っていた幼稚園では、フラオ ロッテンマイヤー などと幼稚園児が呼ぶのは大変なので、アニカ とか ユリア と先生のこともファーストネームで呼ばせていた。確かに、長い苗字の人もいて、子供には発音しづらい。
ニコちゃんのクラス担当は、Frau ハーガ という。短いから楽勝。でも、園長先生の名前は長くて、ニコちゃんは覚えられない。

Frau ハーガ が「ニコ、おはよう」と言っているので、ニコちゃんに、「Frau ハーガ、グーテンモーゲンって言おうね。」と横でささやいた。家ではきちんといえるのに、幼稚園ではまったく言葉が出てこない。

今日も泣いていたけど、そのままおいてきた。
10時半ごろ迎えにいったら、ニコちゃんのグループの子は園庭で遊んでいた。ニコちゃんは、一人ぽつねんとして、他の子の遊ぶのを見ているだけだった。やはり、一緒になって友達と遊ぶというのはまだできないようだ。でも、泣いてはいなかったので、ニコちゃんに見つからないよう、遠くから様子を見守っていた。しかし、大きい子が、私の姿をみつけ、「ニコ! Du bist abgeholt!(お迎えが来たわよ!)」と大きな声でニコに向かって叫んだ。あーあ・・・
ニコちゃんは、ちょうどお漏らしをしてしまっていたようだっだ。それで、すぐに家につれて帰った。

実は、ニコちゃんのトイレトレーニングはまったく完了していない。この一週間でニコちゃんが幼稚園でお漏らしをしたのは今日だけだが、家では、1日に何回もパンツをぬらしてしまう。とにかく、「しっこしたい」と自分からは言わない。無理やり連れて行かないとダメ。でも、トイレに座らせても出ないことも多い。ないのか、と安心していると、その直後にジョーッと派手にもらしてくれたりするので頭が痛い。

幼稚園では、トイレは一人でが基本。ベルトがはずせないとかズボンのボタンがはずせない、ということで先生に手伝ってもらうことはあっても、定期的にトイレに連れて行ってくれるということを期待してはいけない。だから、先生には、「ニコちゃんはまだトイレが一人でできない・・」と申告していない。パンツ型オムツで行かせようかとも考えていたのだけど、「オムツも外れてないのに、幼稚園につれてくるのは非常識!」と思われたらいやだなーと思って、普通のパンツで行かせている。早急にどうにかしなくてはならないのだが、本人に危機感がないからどうしようもない。

ニコちゃんに、「今日は幼稚園で何をしたの?」と聞くと、毎回、「マーマー、マーマーって泣いたの。えーんえーんしたの。」と泣きまねをしながら答える。
いっぱい泣いたの?と聞いても、少しだけ泣いたの?と聞いても、答えはいつも、「うん」。一体どうやって過ごしているのかよくわからない。

3歳児って結構話せる。きちんとした会話になる。でも、ニコちゃんは、3つの言葉のせいか、よくしゃべるが、意味不明のことが多い。3ヶ国語の中で一番語彙が多く上手にしゃべれるのは、日本語だと思う。ついで、英語。ドイツ語はいまひとつ。

そこで、幼稚園に行くにあたり、最低限のドイツ語を教えた。「ダンケ」「ビッテ」はさすがに知っている。一番聞かれるであろう質問は、「Wie heisst du?」(君の名前は?)。それで、何度も教えた。以前、小学生に「Wie heisst du?」と聞かれたとき、ニコちゃんは、「Keine Ahnung!」(まったくわからない)と堂々と答え大爆笑されていた。「Wie heisst du?」と聞かれたら。「ニコ」と答えると刷り込んだのだが、刷り込みすぎたのか、独り言でも、よく「Wie heisst du?」とつぶやいている。

ニコちゃんは、「名前は?」という意味に捉えており、「彼の名前は?」「彼女の名前は?」「私の名前は?」・・・という時は、代名詞が変わるし、動詞も活用するということがわからないし、そこまでは説明していない。絵本をみて、トーマスを指差し、「Wie heisst du?」「Thomas」と一人会話をよくしている。
賢浩は、ニコちゃんを指差し、「Wie haisst du?」と聞いた後、自分を指差し、「Wie heisse ich?」(僕の名前は?)と聞いたり、恵子を指差し、「Wie heisst sie?」(彼女の名前は?)と聞いたりしてくれているが、ニコちゃんはあいかわらず「Wie heisst du?」の一辺倒。

「日本語では椅子だけど、ドイツ語ではStuhl(シュトゥール)って言うんだよ。」という教え方は混乱を招くし、子供は吸収が早いから、幼稚園に通っていればいやでも覚えていくものなのだけど、やっぱり幼稚園に早くなれて欲しいから、ドイツ語ではこういうんだよ、と付け足してしまう。こんなことをしていると、あっという間に日本語能力が落ちてしまうとわかっていても、ドイツ語をどうにかしてあげたい、と思ってしまう。子供をマルチリンガルに育てるには親にも忍耐が必要だ。





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最終更新日  2010年01月20日 01時45分42秒
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