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カテゴリ:マルチリンガルへの道
よく芸能人のプロフィールで、バイリンガルとかトリリンガルとか5ヶ国語がペラペラとかあるけど、言葉ができます!といえる基準はなんだろう?
うちの子を売り出すとしたら、やっぱりキャッチコピーは「トリリンガル」になるのだろうが、現状はちょっと違うように思う。 ニコちゃんの場合は、3言語とも標準を大きく下回っているレベルなので論外。 賢浩は3ヶ国語とも普通に話せるし(日本語は漫画で使われる語彙に偏っているが)、テレビや映画も問題なく理解できる。しかし漢字は小学生1年生のレベルで日本語の読み書きは極端にできない。 英語とドイツ語に関しては、アメリカに行ってわかったのだが、会話はできるが読み書きの能力は高くないということ。WhatsAppなどでメッセージを書き込むのは困らないが、論理的な文章は書けない。こうなると最早言葉の問題ではなく、読解、分析、作文能力の問題なのだろう。 恵子の場合は、ドイツ語はAbiturで満点だったし、英語も13歳ですでにケンブリッジ検定アドバンスレベルに合格している。昨年受けたTOEFLも高スコアだった。大学でもドイツ語と英語を使って講義を受けているし、レポートも書いている。この2か国語については間違いなく「できる」と言える。そのほかラテン語もAbiturで満点だったし、中国語もすでにB2レベル。でもこの2カ国語は「できる言葉」にははいらないと思う。 難しいのは日本語の位置づけ。私とは普通に日本語でやり取りしている。高校まで周りに日本人が殆どおらず、家族としか話す機会がなかった。だから敬語やスラングには弱い。大学に入り、日本人留学生や研究者と話す機会が少しづつ増えてきて、自分の日本語の下手さ加減に気づいて落ち込むことも多くなったと言っている。 先日、日本人留学生対象のセミナーに参加したそうだ。みんなの会話についていくのが大変だったと言っていた。「過労死」「終身雇用」「模擬面接」「東洋思想」などの単語が並び、漢字が読めないし、意味がわからず困ったらしい。 セミナー主催者が「私はAmeftoをしてました」と自己紹介したそうだ。Ameftoってなんだろう?とずっと考えていて、家に帰っていろいろ調べて、ようやくアメリカンフットボールのことだとわかったそうだ。「Amefuto」と言われたとしてもわからなかったと思うが、「Amefto」と聞きとってしまうところが、すでに日本人の脳ではないと思った。 過労死との関連で、東大を出た若い女の子が働きすぎが原因で自殺したニュースを教えてあげたら、ものすごく驚いていた。 この前恵子に「ぶりっ子ってどういう意味?」と聞かれて驚いた。そんな言葉死語になっていると思っていた。私の世代では今更会話に出てこない単語だ。 それから、恵子に「アッザース」と言われたことがあった。「なにそれ?」って聞いたら「ありがとうございますの意味でしょ。みんな使っているよ。」と言われた。「そんな言い方好きじゃないから使わないで!」と言ったら、「えっ?使っちゃいけない言葉なの?」と驚かれた。 恵子は来年日本に留学する予定でいるが、「日本の大学でやっていけるか自信がなくなった。」と言っていた。恵子のことだから、日本滞在中にものすごいスピードで日本語を吸収できると思う。「トリリンガルです」と胸を張って言える日もそう遠くないだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年11月19日 04時07分04秒
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