旅館が考えるワクワク感。
温泉に行った。そこで、究極のサービス業、「温泉旅館」についていろいろと思ったことを書いてみます。▼観光地の憂鬱日本の、昔ながらの観光地は、現在不振にあえいでいます。息も絶え絶えという状態です。理由はわかっています。「一回行ったら、もう結構。」というような施設、つまり昔のままの体制でやっているからです。ディズニーランドの出現を機に、日本人の観光目的は、サイトシーイングから、エンターテイメントに変わってしまったのです。ここ猿ヶ京も、温泉以外には何もない場所。眼下に広がる湖に、貸しボートがあるくらいです。だから、普通の温泉旅館では、お客様のリピートはあり得ないんです。「行くたびに違う。何かワクワクが待っている。」仕掛けが必要になってきます。この旅館はどうか。これまで書きましたように、豆腐会席が名物になっておりますので、ほとんどのお客様はそれが目当てで来るはずです。そこで、ちょっと残念な点が。。会席料理の組立が、前回とほとんど同じだった。。。うちもそうですが、一年に一回程度のお客様は、毎年同じ時期に来ることが多いはずです。ですから、季節感は大事ですがそれを重視してしまうと毎年似たような料理になってしまう。変化を求めないお年寄りは別にして、「何か」を求めてしまう大半のお客様には、何も印象を残せない。せっかく気に入ってリピートしてくださったのだから、「お、前と違う!」と言わせたいですよね。で、豆腐料理など、コアを持っている旅館なら、何とでもなります。例えば、豆腐なら、「豆腐百珍」という江戸時代の料理書がある。それを毎月替わりで特別メニューとして回していけば、3品づつ出したとしても33ヶ月持ちます。同じ月に同じものは出さないようにやり繰りすることにより、20~30年?はいけますね。(計算苦手)他に、朝食の豆腐パンもあるわけだから、バラエティーが広がります。実際、今回はパンの新作が、美味しかったですよ。朝の自家製大粒黒豆納豆も、いくらでも展開できるなぁ。あぁ楽しい。。。旅館に、嫁に行こうかな。