プロフェッショナル
今日のBGM:パブロ・カザルス、ピンクレディー、シャカタク。先日、ある得意先で先方担当者が大いに語り、予想していた時間を大幅にズレてしまった。次の得意先はそこからどんなに急いでも小一時間は掛かる距離にある。しかし残された時間は30分。普段なら電話して「すんまへん、遅れます~」とか言って時間をズラしてもらうのだが、その日は私以外にも3人が集まる予定で、しかも私が行かないと進まない話なのであった。とっさに手を挙げてタクシーを拾う。運転手に「30分で江坂まで行けますか?」3秒ほど間があって「道はどこでもいいですね?間に合えばいいんですね?」何となく怖くなったが「お願いしますぅ」と言って乗り込んだ。と、その運転手、住宅街を50キロで飛ばす。信号の1つ手前の角をドンドン曲がり、やがて高速へ。シートにしがみついた私に気付き、口を開く。「お客さ~ん、どうです、ここまで信号に1つも引っ掛からなかったでしょ。この時間帯に今のタイミングであの道を行けば、それが可能なのですよ。そうしないと間に合いませんからね。」と言いつつもメーターは130キロを越えている。そのタクシーにはカーナビは付いていなかった。がしかし、彼は最初の3秒の間で道を選び、豪快な運転技術をもって見事に客の要求通り30分で目的地に着いたのだ。「どうぞお気をつけて!」彼の言葉を背にしながら、”プロフェッショナル”という言葉が頭をよぎった。凄いや。