井上ひさし『ボローニャ紀行』
井上ひさし『ボローニャ紀行』文藝春秋 がすこぶるおもしろい! 世界最古の大学はボローニャ大学。1088年というから、日本は平安時代だ。 卒業生には、ダンテ、ペトラルカ、エラスムス、コペルニクス・・すげえ(^^;) でも、もっとすごいのは、この大学には校舎がなく、 学生は教授の家に押しかけたり、広場、教会で教えを請うたと。 (校舎ができるのは1563年で、ガリレオはその校舎で学んだらしいとか) このボローニャ大学は、ヨーロッパ中からあつまった学生たちが 組合をつくって、管理した。 ラテン語の「ウニウエルシタス」は自治的な組合という意味で 英語の「ユニバーシティ」となるのだそうだ。 学生が教授を人選し、授業内容も給料も決め、 教授のつまらない授業には罰金をとり、 それでも改善されなければくびにする。学長も学生が選ぶ。 イタリアの都市国家の話だけど、 ヨーロッパってすげー文化だなあとしみじみ思わされますね。 この間のデンマークの話もそうだけれど、こうした人間の営み、文化、思想、そうした上に、人権の思想も福祉の思想もあるんだろね。こんな下りもありました。 国という抽象的な存在ではなく、目に見える赤煉瓦の街、 そしてそこに住む人たちのために働く、 それがボローニャの精神なのだ。この下りをなるほどと感じた「写真館」はこちらです