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てなもんや / Jaz的

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2021.03.08
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カテゴリ:介護
1980年頃ススキノには生演奏の入る店がいくつもあり
バンドマンが楽器片手に夜の街を移動していたものだった。
そんな彼らに憧れを抱いていた高校生の私はある日
大学に進学せずバンドマンになると母親に宣言した。
早くに夫を亡くし全てを背負ってきた母は
バカな息子にゲンコツでもお見舞いしようと思ったのか
血相を変えて追いかけてきた。私は思わず逃げまわった。
しかし気づくと母は追いかけながら泣いていた。
悔しさを抑えきれないような泣き様だった。
その瞬間、私は逃げるのをやめた。してはいけないことをしたと直感した。
あれから40年。母は昨年旅立った。コロナ流行の直前だった。
当時のことは母も多分忘れていたと思う。
あの時「心配する」ことの正しさと重さを目の当たりにした。
その無償の行為を軽々と踏み躙った。
思い込みであっても的外れでも心配することによって人を育まれていると今は思う。
苦い記憶は愛おしい思い出になった。もうすぐ喪が明ける。





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Last updated  2021.11.30 22:14:27
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