『レミゼ』考
『レ・ミゼラブル』という作品を見ると、いつも涙が出てしてしまうところがあります。それは、バリケード崩壊のところ。将来を担った若者が、こんなにたやすく命を落としてしまうなんて、なんて愚かなこと、と。原作を読んだものの、1人1人の設定は忘れてしまっているのですが。でも、同じ志を持った一塊の人物達。活力ある若者達なのですから、国を動かしたいと思うのなら、もっと考えれば、方法もあったのではないかと。例えば、アンジョルラスは、あれだけの集団のリーダーとなっている人物ですから、他の形で力を発揮する方法があったのではないと。マリウスは弁護士の卵だし。人間の愚かさに腹立たしくて涙が出ます。ちょっと話ずれるんですけどね。前、ジャベールは、エポニーヌの死に立ち合ったとき、驚いた表情を見せていたのですが、最近は顔色1つ変えないんですよね。バルジャンを追いかける時には鬼のようなジャベールなんですが、実はそれは職務に忠実に従っているだけで、人間らしい心を内に秘めているという感じを受け取れて、ホッとしていたのです。が、一昨年あたりから、死に直面したというのに、無表情なので、とても怖いなあと、人間としてのジャベールの表現の部分が変わってきているなと。このご時勢。庶民を苦しめると内乱が起こるんだぞ。国を動かす方々が、“この不景気、どこ吹く風”でいるのが、本当に腹立たしいですね。いつも被害を被るのは庶民なんですよね。あ、レミゼ考ということで書いているのでした。山口バルジャン、見る度に進化(?)変化していて楽しみです。前に上演された別作品で、最後に人が死ぬのがとても後味が悪いというのを聞いたことがあるのですが、これなんか、コゼットとマリウス以外、悪人しか生き残らないんですよね。でも、作品としてはとてもよくできていると思います。1人1人のキャストがしっかりクローズアップされているし。それにしても、山口さんの出演されている舞台って、革命やら帝国崩壊やら、政治色秘めたもの(ちょっと表現オーバー?)が結構多いですよね。魯迅は文学で国を立て直そうと医者をやめて文学者になりましたが、山口さんもミュージカルを通して革命家になったりする・・・ことはないだろうな。話飛躍しすぎ(?)。