[misc] トリノオリンピック 競技初日 予断と真実
トリノユベントスの本拠地、フィアッとの企業城下町、統一イタリア王国最初の首都。そこで戦われる冬季オリンピック。競技が始まった。日本のマスコミではフリースタイルスキー・モーグルの上村愛子がメダルを逃したこと、ジャンプ・ノーマルヒルで原田が失格となったこと。この二つが大きく取り上げられている。そのことについて、ここでも触れておきたい。まず上村愛子。事前の日本での報道では、とかく3Dと言われるアクロバティックなエアが注目され、実際に本番で見事に決まった。だがメダルには手が届かなかった。見ていると、上位の選手はエアは結構手堅くまとめ、むしろスピードに乗った滑りで点を稼いでいるように見えた。私の妻(私より、はるかにスキーが達者)によると、上村はエアに入る直前にすごく減速しるいたらしい。それでタイムが伸びなかった。確かに総得点の中でエアの占めるのはわずか。滑りの点とスピード点がむしろ支配的。そう考えると、事前の日本の報道はあまりにも希望的観測に基づいていたのではないか?採点種目というのはそのときのジャッジの「好み」に大きく左右される点があるのは事実。過去のオリンピックでも前回のフィギュアスケートのように大きな議論を巻き起こすことがしばしば。だが今回については戦略的に負けていたといえるだろう。ひとつだけ、中継映像に注文をつけたい。なぜか今回の放映(国際映像)は横からのアングルが多かった。過去のモーグルの放送といえば、前からの映像が多かったように思う。そして横からの映像では、ひざの動きがわかりにくい。新しい試み(選手の動きに合わせて動くカメラを使っているように見えた)だろうが、果たしてモーグルの迫力を伝えるのに効果的だっただろうか?そして、ジャンプ・原田の失格。ナショナルチームとして、余りにもずさんな失態。ルールにのっとることを確認することを、選手個々人に任せるというのは余りにずさんとしか言いようがない。いわゆる、「アマチュアリズム」の落とし穴、と言えるのではないか?