奇跡のレストラン、アルケッチャーノ
前回の日記より続く>>>>>鶴岡を旅することになったのは、度重なる偶然がきっかけで。まず、藤沢周平ファンの大家さんが、藤沢氏の故郷鶴岡へ数年前から通い出したことで、鶴岡がらみの記事が目につくようになり、アルケッチャーノというレストランの存在を知り、同時期に知人が主宰する日伊交流サロンが、アルケッチャーノのシェフ奥田さん絡みのツアーを始め「子供が落ち着いたら行かねば…」と胸に秘めていたところ、近所に家を新築した幼稚園ママyoshikoちゃんちの壁に『アルケッチャーノ』のショップカードが貼ってあり、え?何?転勤で鶴岡に住んでた?マジ?奥田さんと知り合いー????偶然にも、お互いのダンナは中高が名古屋で同じ出身校(学年は違うけど)ってことも発覚して、「夏に行こう!」となったわけです。で、アルケッチャーノ。シェフの奥田さんについては、夢追い料理人、スローなイタリア繁盛記が分かりやすい。オーダーしたのは、シェフのおまかせコース。予算はフンパツ1人10000円で、出るわ出るわ、最後のデザート2皿含む14皿!!なのに、まったくお腹にズッシリこない。イタリアンだというのに。イッツ、ミラコ~事前に奇跡のテーブルという本で学習して臨んだんだけど、本当に書かれた通りでした。料理って、大抵は皿の中で味が完成されてるもの。ところがこのシェフの料理は、色んな歯応えの素材達が絶妙なバランスでお皿の上に乗っていて、それらを口の中に入れて噛み締めることで、五感全てで味わえるのです。例えば、庄内メロン(口の中でイガイガしなかった)の上に、何と!イワナの薄造りが乗っかっていて、塩の代わりに塩焼きにしたイワナの小片がパラッと。。。みたいな。他にも、きちんと味わわないと気づけないような仕掛け満載で、次のお皿を待つ時間もワクワク。こんな経験は初めて素材もさすが地産地消、今食べてと言ってる野菜をそこで穫ってきて出した、みたいな。シェフは「オレの腕前スゴイだろ」なーんて微塵も思ってなくて、「庄内にしかないこの野菜、すごく美味しいんだよ。これと一緒に食べるとホラ、もっと美味しくなるでしょ?」って調子。食後、yoshikoちゃん夫婦がシェフと知り合いということで、隣にオープンしたてのカフェ『イルケッチャーノ」を案内していただけました。カフェにはカウンターキッチンと、食材を提供してくれる農家の方の優先席が設けられていて、そこで自分の持って来た素材が目の前で調理されて、横のスクリーンに農場風景や仕事ぶりが映し出されるんだそうで。「農家の人は、自分の作った食材がどう食べられているか知りたい、お客さんは自分の食べている食材がどう作られているか知りたい、これで両方が満たされるでしょ」そう語るシェフの目はキラキラ人が喜んでくれることが全ての原動力なんだな、と思いました。そして、全く天才面していないし押し付けがましさもないのに、この人に言われたらイヤといえないような、不思議なパワーがジワワ~っと出てる。そのパワーで行政をも動かして、たった一人の力で庄内を食の都に仕立て上げたとは天晴れ。この旅で知ったけど、人の喜びが自分の喜び。どうやらこれは鶴岡マインドのようです。奇跡の料理店、アルケッチャーノ。子供達はその間、yoshikoちゃん御用達の託児所に預けて正解でした。あー、また食べたい!!!鶴岡の旅日記はまだまだ続きます>>>>>