テーマ:フランス文学(162)
カテゴリ:文学
アンスティチュ・フランセ東京にてR.先生の講義。ロラン・バルトRoland Barthes『表徴の帝国 L'empire des signes』。9回シリーズの第2回。
◆このメモをご覧になる方へ◆ 講義や作品に直接関係のないメモも時折含まれます。あまり参考にしない方が良いかもしれません。 『表徴の帝国』を、私たち日本人が理解することは、可能なのだろうか。 バルトは来日時、日本のことを何も知らなかったそうである。『表徴の~』は、旅行記ではない。初見の印象をバルトの“記号論”でまとめたもので、日本人向けにも書かれていない。 日本人が介在しない環境で書かれた日本に関する書物を、私たち日本人が読む。私たちは、そこに誤りを少なからず見付けるだろう。「これは違う。この人は日本を知らない。」そう言って見識のないことを指摘し、満足するかもしれない。 しかしながら、書物の筆者は、誤りかもしれないが一つの認識を持ったのは確かなのである。その認識は、何なのだろうか?こう考えられるだけの、言わば知的余裕が、私たちにあるだろうか。 堀田善衛の書いた『インドで考えたこと』という本を読んだことがある。インドに滞在した際のことを記しているのだが、少なくとも旅行記ではなかったはずだ。 もしかすると『表徴の~』に近いものがあるのでは?と思い、自宅の本棚を探してみた。ない。どこかへ行ってしまったようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.04.21 12:16:17
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