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カテゴリ:読書
「湿原」〈上・下〉 加賀乙彦
出版社内容情報 大学紛争が激化した時代、暗い過去を持つ中年男と心病む女子大生が愛し合う。T大紛争の終結直後に新幹線爆破の嫌疑で捕らわれた二人は、冤罪を晴らすために長き闘いを始める。魂の救済とは何かを問いかける感動の長編小説。 内容説明 大学紛争が激化した一九六〇年代の終り、謎多き人生を過ごしてきた自動車整備工・雪森厚夫は、スケート場で出会った女子大生・池端和香子に恋心を抱く。T大紛争を巡る混乱の中で、心病む和香子は闘争の有効性に疑問を持ちながら、Y講堂にも出入りする。急接近した二人は六九年二月、冬の北海道への初の旅に出た。帰京した二人は、新幹線爆破事件の容疑者として逮捕される。予期せぬ罠にはめられた二人の孤独な闘いが始まる。 著者等紹介 加賀乙彦[カガオトヒコ] 作家。1929年、東京生まれ。東京大学医学部医学科卒業。東京拘置所医務技官を務めた後、精神医学・犯罪医学研究のためフランス留学。帰国後、東京医科歯科大学助教授、上智大学教授を歴任。日本芸術院会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) ※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。 えん罪について新聞のコラムで紹介されていた本で、図書館から借りてきた。 加賀氏の本は、精神医学関係のエッセイなどは何冊か読んだ記憶があるが、小説は読んだことがなかったような気がする。 学生運動時代の大学生たちのことや、留置所や刑務所のことなど、きっと加賀氏が実際に見聞きしたことなどを土台にしているのだろう。 少し冗長に感じる部分もあるけれど、これも登場人物の精神的な遍歴や、えん罪の起こる過程や裁判、弁護士と検察の攻防戦を書き込むには必要なことだったのかもしれない。 これを読んでいると、えん罪がどのように仕立て上げられているかが想像でき、本当に恐ろしくなる。 この作品が書かれたのは1980年代。 現在も多分、ここに書かれている状況はさほど変わらないのではないか。 また、窃盗などの再犯率が高いこともこの小説を読んでいるとリアルに納得できる。 長編なので読むには少し時間がかかったけれど、とても興味深い内容の作品だった。 「湿原の取材と野田弘さんとの出会い」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年11月22日 09時11分10秒
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