和三盆玉兎~形という呪~
神主修行中の友人が実習で新潟の弥彦神社に行き、そのお土産をいただきました 和三盆玉兎(わさんぼんたまうさぎ) 愛らしいお菓子です。今まで、干菓子はあまりご縁がなくしみじみと見ていたら面白いことが・・・ しおりに「和三盆玉兎は日本独特の砂糖で、四国(阿波地方)の特物です。まっこと不思議な造り方をします。原糖を木の板の上で三回以上こねてはしぼり、しぼってはこねて砂糖のアクを抜くので、三盆糖、日本の砂糖で和三盆糖と云うのだそうです。ミネラル等栄養バランスは各種砂糖の中では抜群です・・・」 とあり、ここでも阿波の国とのご縁があって嬉しく思いました 阿波は、泡や沫で、洗い清めて美しくする名であり、阿(あ)から波(わ)の五十音をふくむ、アルファとオメガ(はじまりとおわり)をふくむ名でもあります。 ところでこの兎の形です。 これは昔、弥彦の神様がお山に住むたくさんの兎が田畑を荒らして里人が困っているので、兎を集めて、田畑を荒さぬようにさとされたとか。すると兎は涙を流して聞いていて、それ以後は、荒らすことはなくなったので里人はたいへん喜び、兎のかしこまった姿を作って神様におすすめした・・それが由来になっているそうです。 ふと。 「かしこまっている姿」を形にすることって、一種の呪術だよな~って感じます。 こういう姿を、伝統として伝え、現実に日々留め置くこと。 荒ぶる野性の本能を、こうやって受皿として、形に整えることで、調和を持ってお互いが生きていけるかも、と・・・ふと。 形を嫌った世代に生きた私たちは、「型や形にはまること」への抵抗の癖がありますが、「形」とは、実は「器」であり・・・そして美そのものであり、その意図によっては、計り知れない祈りをとどめおく神聖な器になるもかもなぁ・・・と。 「祝」と「呪」の語源は同じといいます。 よき意志をもって「形」をつかえば、きっと中身も洗練され、よきものが促進されていくことを感じます。熟成のイメージ、そう。お酒が甕の中で醗酵して美酒となるように またそうではなく、あらゆる使い方も可能でしょう。 私にとって大切なのは、美しい意志、そしておいしい意志も好きですね 最近、とんでもないニュースをいくつか聞きますが、「形」からはみでてしまった人の本能が暴走しているのかもしれないという印象をもちます。 美しい現代の器をイメージし、それを心の中でしっかりと持っていたいとしみじみ思います 安倍さんおつかれさまでした 彼が描いた「美しい国日本」。その言葉を皆の胸に届けたことって結構大きいと思っています。 今度はバトンを受け取ったひとりひとりが、それを実現していくだけですね そのお役目に感謝です