慣れないのよね
母が猫sを見て、いちいち心配する。 ああ、あんな高いとこに。 落ちたらどうするのかしら。 足を折らないかしら。 大丈夫です、犬じゃないから モリリィさんが教えてくれた。 「犬は二次元、猫は三次元」 確かにそのとおり。 二次元動物に慣れている一家は、母だけでなく、 全員、猫の挙動にどきどきはらはら。 猫があらぬ方を見ている。 「猫は人が見えないものを見るんだって」 とぽんぽんがいう。 「銀ちゃん(犬の名前ね)がいるんじゃないの?」 よく母はポメ君を説得していた。 「銀や、今日は雨だからお散歩は無理なのよ」 「おまえね、これ食べなかったらほかに食べるものないのよ」 猫も説得する。 「そんなに勢いよく走って、ころんだらどうするの?」 「チューダ、これ、呼んだらこっちにきなさい」 無理です、犬じゃないから… 犬と猫の違いになかなかなれない一家でした。