手をつないで
「今日はお散歩の時に、久しぶりにT君と手をつなぎました。くるりんはとても嬉しそうで、T君にいろいろ話し掛けていました。T君も、うん、うん、とうなづいていました。ふたりの気持ちが通じ合っているように見えました。」T君は、昨学年からくるりんのクラスにやってきた男の子。T君は入園当初、殆ど発語が無く、自分の意思を伝えることができなかった。くるりんは何故かT君のことがとても気に入ってしまい、T君はくるりんの「こだわり」の対象になってしまったのだ。かなりしつこくして、最終的にはT君に嫌われてしまったようだ(^^;)。何度か「T君はもう友達じゃないんだ…」と寂しそうに言っているのを聞いた。子供心に切なかったんだろうな。あの時はまだ気づいていなかったけど、くるりんは所謂「コミュニケーションの障害」があって、T君にも不適切な近づき方をしていたんだと思う。周囲がそれを理解した上で対処してあげたら、もう少し違った結果になっていたのかもしれない…けれども、T君にしてみればくるりんのような超個性派(?)といるより他の子と接する時間が多い方が、学ぶことは多いだろう。くるりんには可愛そうなことだったかもしれないが、あの時点では仕方なかったことなのかもしれない。そんなT君も、最近では自分の意志を伝えることが少しずつできるようになったらしい。何故かくるりん弟のことが好きで、とても可愛がってくれているようだ。弟が媒介になってか、最近では時々くるりんと遊んでいる姿もみかける時がある。今日一緒に散歩に行ったことを、しきりに「T君とひさしぶりに手をつないだよ~、嬉しかったよ~」と言っていたくるりん。やっぱりT君のことが好きなんだね。でも、好きだからと言ってベタベタくっついたり、しつこくしたりしたらいけないよ。友達ってさ、こうやって手をつないで静かに歩くだけでも気持ちが通じ合ったりするもんなんだよ。くるりんにとっては、まだ難しいことかもしれないけれど、少しずつわかっていけるといいね。