ばれちゃったサプライズ
どたばたした一日だったな。(´ω`ι)瞑月達と食事を楽しんだ後、レストラン内の地下に小さなバーがある事に気がついた。以前朱砂が言っていた彼のお気に入りの店だ。会計を終えて翠嵐、お前も残るか?問い掛けたら笑って首を横に振った。今日はちょっと疲れちゃった。瞑月君達と一緒に部屋に引き上げるわ。厳、深酒は駄目よ!いたずらっぽくウインクをして店の外に出て行った。やれやれ、振られたか。背中を見送りながら思わず1人で苦笑した俺。ほんの5分ほど前の小さな出来事をバーのスツールに腰掛けて、ダルモア12年をロックで味わいながら想い返していた。明かりを落とした小さな店内には俺とカウンター内に1人しかいない。少し疲れたときには暗い空間でゆっくりと上手い酒を味わいたいものだ。小さく口に出して呟いてみる。カウンター内の初老の男性が瞳を伏せたまま、同意したようにバカラのグラスを麻布で磨きながら黙って頷く。あら、御1人ですか?背後から声がする。声の主は大羽社長だな。ゆっくりと左に振り返るとにこやかに微笑みかける。隣宜しいですか?厳様。どうぞ。静かに呟くと礼を言って左隣のスツールに腰を下ろす。兄さん、私にも同じものを頂戴。兄妹か・・・道理で・・・最初にマスターを見たときに目元が社長に少し似ている気がした。その思いに気がついたのか社長が俺を見つめる。10歳年上の実兄です。そして母でもあり父でもあります。目の前の男性に視線を送ると口元で微笑んでゆっくり頭を下げる。兄妹で苦労してきたんだろう。苦労してきた人間だけが知る辛酸と苦渋を表情から感じ取る。黒いカウンターの上にコースターが置かれ、その上にバカラアルクールオールドファションのグラスに注がれたダルモア12年がゆっくり彼女の目の前に置かれる。店の落とした明かりの中で美しい琥珀色が揺らめいて見えた。質素だが店に置かれた調度品の数々は一流品ばかり。男の拘りなのだろう。秘密の隠れ家のような心安らげる空間だな。このような拘りがあるのは男は嬉しいものだ。朱砂が好きだと言っていたのがよく解かる。嬉しくなって自然に笑みが浮かんでしまう。嬉しそうに微笑を浮かべてダルモアを味わう厳様。兄の拘りを理解されたんでしょう。兄も嬉しそうに瞳を伏せたまま口元で微笑んでいる。拘りを持っていてそれを理解できる男性ってとても素敵で魅力的。2人の様子に心が温かくなる感情が浮かんでいた。湯畑に行かれましたか?えぇ。翠嵐も初めて見る景色に無邪気にはしゃいでいましたよ。静かだけど声には充足感が含まれていた。よかった・・・微笑んでダルモアを口に含む彼女。実は面白い出来事もありましてね・・・西の河原での出来事を話し始める。!!そんな・・・そんな事って・・・絶句したまま正面を向き俯く彼女。どうかしましたか?動揺を浮かべて項垂れたまま厳様・・・どうかお許しください・・・と小さな声で謝罪する。何故謝罪を?問い掛けると一瞬固く目を瞑り意を決したように話し始めた・・・全てを聞き終わった俺は右手で口元を押えて必死に笑いを堪える。そうしないと笑い転げてしまいそうだった。全く何か企んでいる気配は感じていたが、そういう事だったのか!やはり血筋だな。息子と娘のサプライズ返しという訳か!( ´,_ゝ`)ィ ヒまさかこんな事になるなんて・・・(´ω`ι)申し訳ありません・・・項垂れたまま謝罪をする社長に声を掛ける。面白いじゃないですか!ここまで計画しているならばちゃんとシナリオ通り実行しましょう!引っかかった振りをするのも楽しいものです!'`,、'`,、 '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、 '`,、'`,、ただ翠嵐には内緒にしたままでお願いしますよ!どうせそこまでやるならば収録してはどうです?大和韓民国大統領のドッキリ大作戦と題して。それを日本と私の国で放送したら盛り上がるでしょうね!ァ'`,、'`,、(ノ∀`*)'`,、'`,、((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブルそんな・・・立場をお考え下さいっ!!(。-∀-) ニヒ♪私はこの手のHAPPYサプライズ大好きでしてね!周りに喜んでもらうのは嬉しいものですからついつい計画してしまうんですよ!(・∀・)ニャニャ社長、やるからにはとことんやりましょう!息子達には私にばれた事内緒ですよ!( ´,_ゝ`)ィ ヒまるでいたずらを企てているやんちゃ坊主みたい。(´ω`ι)とても嬉しそうにダルモアを口に含んで必死に笑い声を押し殺す様子につられて笑う。ごめんね、シンディ瞑月君。あなた達のお父様に計画ばらしちゃったわ!(>д