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カテゴリ:本の感想 作家別-ま行
ハーフの美男子なのに内気で、いまだチェリーボーイの大学生、克夫。憧れの先輩、舞子にデートに誘われたが、連れていかれたのはなんと短歌の会!?しかも舞子のそばには、メガネの似合うプレイボーイ、天才歌人の伊賀がいた。そして、彼らの騒々しい日々が始まった―。カフェの街、吉祥寺を舞台に、克夫と伊賀、2つの視点で描かれる青春ストーリー。人気歌人による初の長編小説。 46冊目 年末までもう2ヶ月きってしまったのですね。ペースあげないと年内の目標が~ 「ショートソング」そのまま短歌をつづる若者達の物語です。短歌どころか創作といったことに才どころか意識もいかない私がなぜこの本を手にとったかというと これを原作とした漫画版 こちらが第一巻 今もスーパージャンプで連載中 相方が毎週結構な数の青年漫画誌を買ってくるなかでお気に入りの漫画家 小手川ゆあ氏が原作を作画っていうのが気になって読んでました。寡作な人でデビュー作「おっとり捜査官」から「アルカナ」「死刑囚042」他と連載重ねるごとに絵がどんどんうまくなって、可愛らしい絵で犯罪を柱とした設定にファンタジー色が味付けされているのですが警察官と連続殺人犯だの死者の姿を見ることのできる少女とやっぱり警察官だの死刑囚とカウンセラーと女子高校生だの それはおもしろすぎといった相関図を描く方、 久々の連載と喜んだところ絵がさらに磨きがかかって女性がえろ可愛いすぎ、話もHに比重が~ とよく見たら原作小説の漫画化でした。(表紙をいつもろくに読まない私。さらによっぽど気に入った作品じゃなきゃ漫画家の名前も覚えない不届きもの) それで当初はいつもの小手川調を期待して読んでいたのに、当然予想とちがう感覚で、(あたりまえなんですが)キシキシとでもいいそうな違和感がうまれてくる一方、とっても美男子で帰国子女というおいしい背景をもっていながらびくびくしている克夫に さして顔が良い方じゃないけど(本人談)短歌の世界では名が知られ女性に不自由してない伊賀が短歌の才能を見いだす一方 ”いじめて”=”可愛がって”やりたくてしょうがないって姿が笑いを誘って楽しみに読むようになりました。そして話がすすむなかで登場人物たちが産み出す短歌の響きがとてもマッチしていて原作が気になりだして手に取りました。 原作は克夫=cherry boy, 伊賀=playboy のそれぞれの視点で交互に書かれていきます。二人が出会う発端は克夫の大学の先輩であり、伊賀の彼女である舞子が「来る女性こばまず」状態の伊賀に対しての鞘当てとしてルックスの良い克夫を連れて短歌の歌会に連れていったことがきっかけ。舞子の意図することの気がついた克夫が、その心の痛みを初めて作った短歌に歌い上げ、その作品に惚れ込み、克夫の才能に対する嫉妬と男としての優越感やらでとにかく気に入って、舞子と一緒に克夫を連れ出すようになり物語はすすみます。その中で短歌の世界のことや作り方などごく自然に語られていき、すごく新鮮でした。そして様々なできごとに対して歌われる短歌。てっきり原作者の枡野氏の作品だけだと思っていたら様々な歌人からの寄稿だそうで(巻末に表示)、心のありようや感情をこんな風に表現できるのだとうなることしきりでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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