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カテゴリ:本の感想 作家別-ま行
ヘルシンキの街角にある「かもめ食堂」。日本人女性のサチエが店主をつとめるその食堂の看板メニューは、彼女が心をこめて握る「おにぎり」。けれどもお客といえば、日本おたくの青年トンミひとり。ある日そこへ、訳あり気な日本人女性、ミドリとマサコがやってきて、店を手伝うことになり…。普通だけどおかしな人々が織り成す、幸福な物語。 以前に映画がwowowで放映されていたのですが いかんせん、真ん中しかみていなかった ”かもめ食堂” それでもその映画の雰囲気が 実に良くて 機会があったら きちんと 見ようと思っていました。 そんな中 書店に 映画のワンシーンのポップと供に ”かもめ食堂”の文庫が で~んと 合ったので即買い! 大昔に流行った宣伝 「観てから読むか、読んでから観るか」という 頭を悩ます必要がないほどの 原作と映画の雰囲気が そのまま重なりあっています。 映画と本、どっちが先かではなく どっちからスタートしてもいいから 両方に触れた方が もっとお得! といった感じです。 常に目標、物事を見極め、自分のやりたいことに対して むかっていくサチエは 自分が思い描く食堂を開くため 色々考えた末に フィンランドでお店を開きます。 「人生すべて修行」が口癖の武道家の父と二人暮らしの中 自分のやりたいことに向かって 何が必要か どうしようかと 一歩一歩すすむサチエの姿は じつに小気味良いです。 そして 父と娘の愛情を彩る”おにぎり”のエピソード じ~んと目頭があつくなります。 無事 フィンランドで食堂を開いたサチエ 東洋人特有の容貌と小柄ゆえに 「謎の東洋人の女の子」が一人でいる 食堂として 地元の人々は 遠巻きにみるだけで なかなか入店者は 訪れません。 そんな中 日本びいきで”ガッチャマン”に惚れ込んでいる フィンランド青年トンミ君が 常連となり ひょんなことから フィンランドへと足を向けた ミドリがお店を手伝い始め さらに やはりひょんなことでフィンランドに到着した マサコも加わり ゆるゆると 時に もったりスリリングに お話が流れます。 外国生活の中で出会う三人の”同胞”達は 優しく 包み込むようで でも べたべたしない 適度な 距離を持って 少しずつ”かもめ食堂” の切り盛りに かかわっています。 読み終わった後、 大事な人のために おにぎりをにぎって 一緒に食べ どこかに 美味しいシナモンロールを 追い求めていきたくなります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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