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カテゴリ:本の感想 作家別-ま行
もしも
楽しき学生時代に戻ることができたとしても 二度と経験したくないもの 就職戦線 私の頃は4年生の10月解禁という時代で 一週目二週目と日々を追うごとに 説明会やら面接と "行く場所"がなくなっていき 大学に顔出すしか術がなくなり 他のみんなは(着々と内定に向けて忙しく)講義なんか きていないんじゃないかというあの不安感、、、 という訳で エッセイで毎回 お腹の皮をよじらしてくれる三浦しをん氏の処女作 ”格闘する者に◯” 読む前は タイトルから 勝手に プロレスラーか見習いの彼氏がいる 女の子の物語じゃないかと思い込んでましたが 私小説かとおもうような 就職活動にいそしむ(かけらも真摯じゃないんです これが) 女子大生の物語 これからどうやって生きていこう?マイペースに過ごす女子大生可南子にしのびよる苛酷な就職戦線。漫画大好き→漫画雑誌の編集者になれたら…。いざ、活動を始めてみると思いもよらぬ世間の荒波が次々と襲いかかってくる。連戦連敗、いまだ内定ゼロ。呑気な友人たち、ワケありの家族、年の離れた書道家との恋。 格闘する青春の日々を妄想力全開で描く、才気あふれる小説 デビュー作。 最初に読み進んでいくと それなりに面白いんですが なにかしらぎくしゃくとした違和感が、、 これエッセイで書いた方が よっぽろおもしろいんじゃないかと 思うと同時に 今作が 処女作ということを思い出し デビュー当時ならこの語り口調はずいぶんと新鮮だったろうなと いらぬ分析も なんでもありのはずのフィクションにおける 主人公の妄想には疎外感を感じ 一応は実生活に基づいたエッセイにおける 作者自身の妄想には親近感を覚えてしまう 不思議さに 苛まれました(?) 面接に”平服”で と書かれていたので 気合いをいれて(デート時向けの)普段着で 会場に行くと 廻りは全部リクルートスーツ わざわざ平服って 書いてあるじゃないかと いきどおる主人公 この時期 ひたすら ”内定” という宝を勝ち取るために 必死に 社会という 洗礼に 立ち向かうのが 就職活動かともおもうんですが 一方で 会社側の (受ける側としては) 理不尽な質問や対応に ”ふざけんじゃねぇー” と 心のうちで 叫びたいのも 学生の本音 それを妄想がらみで語る主人公 作中の K談社と集A社の面接の話は 作者本人の 実話じゃないのかと ひそかに 思ってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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