せつなくて　霞んだ色の夢椛　紅く染まるも　あなたは思(し)らず


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健ちゃんが言ってたけれど、



『どうして簡単に……友達になろうとか言えるんだ』

って………




私には、痛いほど健ちゃんの気持ちがよく解かる。


簡単に………友達なんかになるくらいなら、

だったらいっそ……逢ったことすら失くしてしまいたいのよ……




好きでたまんない。

健ちゃんのココロが、そう言ってるのが聴こえた。




好きでたまんない。




好きな気持ちなら、誰にも負けない。




シンパシー。


同じように、痛いほどいとおしい人を想うからこそ解かる、感じる、痛み。




あなたはきっと、知らない。

思いもしないかもしれない。

私はきっと、あなたを忘れたはずだと思うかもしれない。




………そんな簡単に忘れたり、振り切ったり出来るほど、

人のココロはいいかげんな造りじゃないと、信じたい。



だから、

健ちゃんだけじゃない。

私も、

そんな簡単に……忘れたり、出来ない。





無理やり忘れたりするくらいなら、まだこのままでいい。


本当に本当に大好きだから、無理やり忘れたりしなくていい。


きっと今、無理やり手放したら、

私のココロは人間らしくなくなってしまう。

だって、ほら、

ちゃんと、まだ、ココロがほんのり紅く染まる。



だから、別の人に染まっていくまで、今の気持ちのままでいい。





ね、そうでしょ……。


誰が何とか、どうとか、別に構わない。


私が好きなのは、

それでも変わらないんだもの。





あーぁ、また、どうしようもなく胸が張っちゃうくらいに、

好きな人出来ないかなぁ………

それを楽しみにしていよう。

今のままで構わないから。