帰省
先日、オヤジの十三回忌で1週間ほど東京に帰省していた。昨年秋に帰省した際には74年ぶりの寒さということでエライ寒い思いをしたが、今回はその教訓にあやかり、たんまり冬用の服を持ち込んだ。那覇→羽田 通常2時間半近くかかるフライトもこの日は1時間45分無茶苦茶早い。予定していたバスまで時間があったので、時間が合えば必ず立ち寄る空港内の寿司屋「寿司田」さんへ。ここは空港の飲食店ではあるが、かなりリーズナブルな価格である。ランチタイムであれば、上ニギリが¥1,300でいただける。ちなみに12貫である。バスに乗るため、ターミナルビルから出るとさすがに寒かった。寒かったというより、えらく冷たい。大きな保冷庫の中にいるような感覚。実家に着くと、築40年の家の中はなんと8℃。これには驚いた。晴天の昼過ぎでこの室温は、沖縄ではありえない数字である。すぐにコタツにもぐり込み、ストーブをつけた。しかし、空気がモワッとして気持ち悪いと言う理由で、オフクロはストーブ嫌い。もっぱら厚着して、コタツだけで過ごす昭和の人である。厚着をしてると動きも悪いし、自然とコタツにこもりがちなる。扇風機をかければ空気が循環するからと壁掛け式の扇風機を回す。ついでにカバーと羽も取り外しキレイに掃除した。翌朝は部屋の中で4℃・・・これもまた、いや、絶対に沖縄ではありえない状況だ。しかし、数字ほど体は寒くない。2日目にして、体が慣れたのか。朝食をすまし、立川に買い物に出かける・・・暑い。ひなたはポカポカして、厚着してるせいか、汗がにじんできた。風がないから、太陽の下では沖縄と同じくらいに思えた。しかし、相変わらずに日陰はしゃっこい。この冷たさが気を引き締めてくれる。まさしくツンデレである。沖縄は気温は冬場でも日中15℃くらいであるが、風が強いため、体感温度は結構寒く感じる。ちなみに風がやみ、太陽の下であればTシャツでも十分ではある。今回は色々なところに足を運ぶことができた。遠いところでは富士吉田までうどんを食いに行った。意外とうれしかったのが、駅構内の立ち食いソバで天ぷらソバを食えたこと。前日、地元の連中と、しこたま酒を飲んだせいか、空きっ腹に熱いソバつゆが染み渡った。日本の元祖ファストフード・・・最高に美味かった。わずか5分足らずの至福の一時であった。その他、八王子の洋食や、寒川の焼肉屋と色々なところで飯を食った。何一つ文句も言わず、僕のわがままに付き合ってくれた後輩には心から感謝している。女だったら硬くハグしたいのだが、僕よりもでかい元ラガーマンにそうしたら、誤解が生じてしまうと思い躊躇した。最終日前日に立川で土産を買った。沖縄出る時にもらってきた香典返しだ。その際、久しぶりにビックリさせられた事があるのだが、高島屋、伊勢丹、八王子のそごうもそうだったが、百貨店の接客のすばらしいこと。僕が沖縄に行って6年経つがその間に劇的に向上していると感じた。以前であれば富裕層ターゲットである店の接客態度だ。しかも、自然である。ただし、応対いただいたのはいずれも20代の女性ではない。気の利いた料亭の女将みたいなやわらかさと優しさもかね合わせている。本当に自然で、「この人すごくいい人」的なオーラが出ているのだ。ダマされやすい僕にとっては、何でも買ってしまいそうになる。最近、飲み屋でもキャバクラのネーちゃんのいるところは疲れるから行かない。30代~50代の女の子?のいるところがお気に入りだ。多少高くつくが、店も落ち着いてゆっくり飲める。お姐さま方も話し合わせてくれるしね。百貨店全体にいえることなのか、売り場的なことなのか、それとも沖縄のサービスに慣れてしまったからなのか、はたまた年齢的に僕が変わっただけのか・・・理由はともあれ、すごくいい気持ちで買い物ができた。そんなこんなであっという間に7日間が過ぎた。羽田→那覇、帰りは3時間も飛行機に乗っていた。「お客様、当機はまもなく那覇空港に到着します。到着時間が遅れまして、大変ご迷惑を…」飛行機と僕の気持ちがオーバーラップしたんかな・・・。遠いようで、近いような沖縄に到着。ターミナルから出てみる・・・デ~ジ暑い。冷や汗ではないと思うが、もう汗が出ている。帰沖前に電話で「こっちも寒いから厚着してきてよ」と、カミさんに言われたが、やっぱりそれは沖縄の感覚。内地に比べたら、パイにくっついているレモンに切れッ端のようなもの。汗をかきながら、モノレールのホームに立つ・・・風が強い。お~さみぃ~・・・。オヤジがくれた小旅行、一気に現実の世界へ引き戻された