カテゴリ:B~C級グルメ
◇ 10月19日(木曜日):旧葉月二十八日(辛巳);東京日本橋べったら市、京都建勲神社舟岡祭。
このブログの以前には、「二十四気便り」と題し、折々の雑感を文章にして、インターネット上のお知り合いや友人にお送りしていた。二十四気とは、普通には「二十四節気」といわれることが多いが、要するに、啓蟄とか寒露、夏至などといった季節の節目の事である。その所為で結構季節や暦に係る古くからの話題に触れることが出来た。 会社を始めて、大いに急がしくなってしまった所為で、プッシュ型の「二十四気便り」の継続が困難になり、このブログを始めたわけだ。しかし、やはり暦や季節感を示す出来事には相変らず関心があり、いつも冒頭には旧暦や、我国のあちこちの伝統行事を並べている。 明日の20日はえびす講である。10月は別名神無月といい、日本中の神様が年一回のキックオフ・ミーティングの為に出雲に出張される月である。そうすると巷には神様が居なくなってしまうので無用心だ。しかしそこは神様の事、抜かりの無いようにちゃんと留守番役の神様を置いていかれる。 七福神の一人で、商売繁盛の神様であるえびす様も、留守番役のお一人である。それで民草は、神無月の20日には留守神としての恵比寿様をねぎらい、民の竈(かまど)の一年間の無事を感謝申し上げる行事を執り行うのである。これがえびす講である。 出雲で行われている神々の集まりが公式全体会議であるとすれば、えびす講はカジュアルな秋祭りを兼ねた民間行事というわけだ。 さて、今日の暦の「日本橋べったら市」は、このえびす講の前日に行われるのである。この市の元締めは、東京は日本橋の宝田神社である。この神社は徳川家康以来の由緒ある神社で、この界隈の鎮守様として四百数十年の歴史を持っている。祭神は家康入府の際に賜ったというえびす様なのだ。 べったら漬は大根の浅漬けで、皮を剥いた大根を、砂糖と塩を混ぜた甘酒の麹に漬け込む。この皮を剥くというのが東京のべったら漬の必須工程である。甘辛の麹に漬け込まれた大根は、数日もすれば食べごろになる。真っ白な大根の肌と、甘いコリコリした食感は、庶民のお祭の雰囲気にはぴったり合ったのであろう。 今日と明日の2日間は、日本橋の宝田神社(日本橋本町)を中心に、近隣の小伝馬町、大伝馬町、人形町界隈の通りにべったら市が開かれて賑わう。 散々人手にいじられて、都市化してしまったように思える東京でも、昔の地名や行事はこうして未だ残されているのである。明日あたりは、お近くの方々は、日本橋までえびす様に参詣に出かけ、お土産にべったら漬をお買いになっては如何だろうか?こういう古来の行事だって、訪れる人がいればこそ続いていくのであるから。 ♪♪今回の厚木語辞書♪♪ 『引く手余った』 - 「引く手」が「受け手」より多くなって、受け手が足りなくなり、余ってしまう事。転じて、あるもの(人)に大いに人気があること。 【対応する日本語】 - 引く手数多。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.10.19 17:47:12
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