ストーブパイプ・インテグレーション
◇水曜日:旧暦七月十三日 癸酉(みづのと とり) 鶴岡庄内大祭、滋賀建部夏祭、プロ野球ナイター記念日今日は、我国で初めて「職業野球夜間公式試合」、つまりプロ野球のナイターが行われた記念日なのだそうだ。今から57年前、昭和二十三年の今日、巨人中日戦が当時の横浜ゲーリック球場で戦われ、三対二で中日ドラゴンズが勝利した。試合中、読売巨人軍の川上哲二打者の打った打球が、ワンバウンドしてスタンドに入ったものの、跳ね返って戻り、これを捕球した中日の外野手が返球して、走者がアウトになってしまうという珍プレーがあったそうだ。当時の照明は今と較べてはるかに暗く、一連の経過がアンパイアからは闇に紛れて見えなかったからである。今の昼間より明るい程の照明を見ると、大いに昔日の感がある。(無論僕はこの試合を観たことは無い。幾らなんでもそんな歳じゃない。)政治の世界は、相変わらずドタバタだ。真紀子お嬢様は、「民主党が政権を獲ったらオラァ外務大臣になるべぇ!」と地元で気勢をおあげになったそうだ。・・・結局彼女は民主党を支持しているのか、或は妨害しているのか・・・こんな事をおっしゃるのを聞くと分からなくなった。北ではムネオ新党の旗揚げだ、西では辻元清美ちゃんが社民党復帰だ、果てはホリエモンだと、こりゃまるで百鬼夜行の世界だ。自民党も「造反組」の一部が切羽詰って新党結成に向けて動き出すは、又別の一部は離党しないで「無所属」で出馬するはで、とても一つの政党とは云えなくなっている。英語ではこういうのをStovepipe Organization(煙突組織)と呼ぶ。この場合日本の煙突ではない。欧州の煙突でないと意味が通らない。欧州の市街地の家は、概ねアパート形式になっていて、一つの建物を階毎に、或はもっと細かく区切って所帯分けし、人が住んでいる。それぞれの所帯にはストーブ(暖房用のストーブや調理用コンロなど)が設置されていて、その各々から煙突が出ている。この煙突は、やがて集合されて束ねられ、屋根の上ではレンガの筒を被せられて一つにまとまっている。これがストーブパイプである。つまり、外からは一つにまとまって見えているけれど、実はそれぞれの排煙口は単に束ねられているだけで、パイプ相互の間には何の連結も連絡も無い。今の自民党のように、名前だけは一つだけど、中は領袖から兵卒まで上下の繋がりがあるだけで、領袖同士で反目し合っているのは、正にストーブパイプ組織といえる。数日前のブログに書いたアメリカの諜報機関も、同様にストーブパイプ組織だ。だから様々な情報や兆候があっても、9・11を阻止する事が出来なかったといわれている。僕の身近なITの世界でも、同じような現象がある。それをSotvepipe Integrationという。何年もかけて、部門部門の個別の要求に応じて作られてきたシステムでは、何かと不都合が生じるし、効率が悪いということが云われるようになった。そこで、これらを統合しようという機運が生じた。これをSystem Integration(SI)と称し、多くの企業がSIの名の下でバラバラなままだったITの諸環境をまとめようとした。そうすると、それまでのソフトウェアハウスや、情報機器商社は続々と、自らを「SI企業」又はSIer(「エス・アイ・ヤー」と読む)と呼ぶようになって、少しでもこのブームの余禄にありつこうとしたのである。だからSIなどといっても中身は玉石混交。一見統合されているように見えても、中身を見るとバラバラで、相互のシステム間に有効なリンクが張られていない、見かけだけのインテグレーションがいっぱい生じたのだ。つまりStovepipe Integurationである。僕の会社の製品が特に照準を合わせているのは、「インターネット上での取引やビジネスの仕組み」の分野である。これらはかつてe-CommerceとかB2B,B2Cなどと呼び習わされた。そしてこの分野にこそ、見かけは美しくもスマートだけれど、その実中身はストーブパイプでしかないシステムが多いのだ。これからいよいよ重要になってくるこういうシステムこそ、仕入れや売買、配送、顧客管理、会計、調達など、個別バラバラのストーブパイプではなく、ちゃんとした統合化が必須なのである。例えば、昨日の新聞にも出ていたけれど、電気製品の分野では来年からはRoHSローズ指令が施行される。これはEUが指定する有害化学物質を含む電気製品は、EU諸国には輸入させないという指令である。これが来年7月に施行されると、日本の製造業はこの指令を遵守しない限り、製品を欧州に輸出できない事になる。日本の製造業は、電気製品の分野でも、製品→コンポーネント→部品→素材の各段階を別の企業が分担するカスケード構造になっている。そうなると、有害物質を含んでいないという証明は、「源流主義」といって、素材のレベルまで行って証明されねばならない。即ち、上の流れに従って情報の疎通がしっかり保証される必要があるのだ。それだけではなく、この場合各段階で有害化学物質に関する情報の、横方向での共有も必要になる。こうなるとストーブパイプシステムではとても間に合わない。それも、一社のみならず、系列・提携企業間においてすらもストーブパイプに対極するシステムが必須になるのである。このブログのホストである楽天などの流通、通販、量販の世界でも同じことが言えるが、電気メーカーや色々な分野で、ストーブパイプでない、本当に統合されたシステムが必要になる所以である。当社の提供するEnfinity Suite 6というソフトウェアソリューションは、こういう問題を解決するのに最適なシステムなのだが、このブログでアフィリエイトを募って売っていただけるようなお値段でないのが大いに残念ではある。・・・・でも敢えて挑戦してみようという方はご連絡を・・・・やっぱりちょっと無理かな?