安中の製錬所
信越本線に乗っていくと、群馬県の安中に『安中の製錬所』が見えてきます。亜鉛の製錬所で独特の煙突や工場群が印象に残る建物です。仕事の関係で何度か信越本線に乗り、その度この製錬所が目に入り、一度近くで見て撮影してみたいと思うようになりました。子供の冒険心のように段々と欲求が高まり、撮影好きの友人を誘い休日にこの製錬所に行ってみることにしました。練馬で関越道に乗り、群馬方面へ。安中に到着すると、田んぼの中の山に工場群が広がる光景が見えてきました。その日は快晴で、田んぼと山の緑、空の青の中でグレーの工場群は、一際映えて見えました。近くまで車で行き、撮影を始めました。と、その時です。工場より警備のような人がやってきて、撮影の目的を質問してきました。個人で趣味で撮影しているということを説明したのですが、その警備の人は納得してくれません。取材は許可を取ってくれと。どうやらマスコミと勘違いされたらしく、以前公害問題でしつこい取材を受けたのでしょうか、何とも威圧的な態度です。仕方なく側を離れ、遠方よりの撮影に切り替えました。望遠レンズはこういうとき役にたちます。威圧的な警備員の印象と違って、工場群の建物は私達に何ともいえない独特の『美』を見せてくれました。デザインを意図しない、機能のみの建築物は経年の劣化もあって、どんな建築家も適わない建築として存在していました。この製錬所、今でもあるのでしょうか。ちょっと気になってます。追記:この会社のHPがありましたので掲載します。☆東邦亜鉛株式会社★工場風景写真集★