1954915 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2024.07.03
XML
NHK「燕は戻ってこない」が終了。
いろいろと予想を裏切られた。

基の選択も、
悠子の選択も、
リキの選択も、
リリコの反応も、

すべてが予想とはちがってました。




奇しくもリリコが、
産後うつを「ホルモンの奴隷」と言いましたが、

人間は、
「遺伝子の奴隷」でもあるし、
「生まれ育ちの奴隷」でもあるし、
「名前の奴隷」でもあるし、
「経済の奴隷」でもあるし、
「法律や契約の奴隷」でもある。

女は「結婚」と「出産」の奴隷でもある。

リキの最後の選択は、
そのすべての呪縛を振り切ったものだけど、
それは自由である同時に不穏でもある。



基と悠子は、
あえてDNA鑑定をせず、
リキの子の「里親」として手を取り合う、
…という選択をしました。

たんなる「里親」なのだから、
リキが片方の子を連れ去ったとしても、
おそらく彼女の選択を尊重するだろうし、
草桶夫妻は文句を言わないはずです。

実際、訴訟を起こしたところで、

リキが戸籍上も母親なのは事実だし、
事前の契約が双子の想定をしてたかは怪しいし、
遺伝的な父親が誰なのかも不明だから、
草桶夫妻が《愛磨》を取り戻せる保証はない。

ただ、
基の母の千味子は納得しないかもしれません。



一方、
リキが自力で子育てできるのかは不安だし、

出生届が《愛磨》なのに、
彼女のことを《ぐら》と呼び続ければ、
出生名と通名とに齟齬が生じることになる。

さらに、
将来的にDNA鑑定をした場合、
リキの連れ去った子と草桶家の育てた子が、
あべこべの結果になってしまうかもしれない。

子供たちが、
自分たちの出自を知りたいと主張したときに、
どんな結果が生じるのかも分からない。



帝王切開の傷が残っただけでなく、
さまざまな禍根と不穏な要素を残す結末です。



もとより、
これは代理出産を奨励する作品じゃないので、
ハッピーエンドにならないのは当たり前だし、

想像しうるかぎり、
もっとも不穏な結末を選んだってことでしょう。

桐野夏生の原作があるとはいえ、

長田育恵の脚本作としては、
朝ドラ「らんまん」との作風の違いに驚かされる。

わたしが思うに、
「ぐりとぐら」という絵本も、
卵を食べる物語であることが意識されている。
「ぐりとぐら」が他者の卵を食べたように、
彼らの生命も他者から食いものにされてるのでは?

そういう怖い話ですよね。



わたしは、
「いとうせいこうの登場に意味があるに違いない!」
…と予想したのだけど、

それ自体がミスリードだったのかも (^^;
結局、さほどの意味はなかったのですね。

富田靖子が序盤で語っていた、
「結婚すれば自由になれる」という遺言も、
ある意味ではミスリードだったように思います。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

燕は戻ってこない (集英社文庫(日本)) [ 桐野 夏生 ]
価格:1,100円(税込、送料無料) (2024/7/3時点)



にほんブログ村 テレビブログへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.07.03 08:20:07


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

日記/記事の投稿

カテゴリ


© Rakuten Group, Inc.
X