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まいかのあーだこーだ

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2024.10.21
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山粧う三面鏡に百の母 数式にエナドリの染み降り 誤字減点泣きべそ帰路に色葉散 焼けた顔赤土で歓喜秋実る まつりの後満点の月懐く風 枝豆を買うダイハード放映日 百点に二重線あり豊の秋 百点を集めたアルバム星月夜
10月17日のプレバト俳句。
お題は「100点満点」。



望月理恵。
山粧う 三面鏡に百の母
星流る 三面鏡に百の母
(添削後)
星月夜 三面鏡に百の母(添削後)

これは稀に見る "結果オーライ" の句!
どう考えても「百歳の母」と読めるし、
先生もそう解釈したはずですが、

作者の話によると、
「100点のテストを渡したときの母」
だそうですwww

実際、
作者の年齢から察するに、
母親が百歳のはずはないのよね…(^^;

作者の意図とはまったく別の句なので、
通常なら容赦なく減点されるはずですが、
誰ひとりそれをツッコむこともなく、
70点の《才能アリ1位》が確定しました。

才能アリが誰もいないのは、
番組的に体裁が悪いからかもしれません。

まあ、結果オーライとはいえ、
たしかに「三面鏡に百の母」というフレーズは、
なかなか魅力的で捨てがたいものがある。

惜しむらくは季語が近いこと。

添削句では、
夜の季語を取り合わせましたが、
「百歳の老婆が夜の鏡に向かう」ってのは、
あまり健康的な感じがしませんね。
あくまで昼の句にすべきだと思います。

たとえば、
秋草や 三面鏡に百の母
くらいでいいのでは?

※ちなみに、添削のような夜の句にした場合は、《百歳の母》という意味ではなく、《夜の仕事に出掛けようとする母が、七変化の化粧と合わせ鏡とが相俟って百面相にも見えてくる》みたいな幻想句と読めるかもしれません。







ラランド・ニシダ。
数式にエナドリの染み 降くだり月
数式にエナドリの染み 星流る
(添削後)

なかなか面白い句です。
中七の「エナドリ」は、
エナジードリンクの略語だそうです。

秋の季語「降り月」は、
満月から欠けはじめる月のこと。

もちろん作者は、
「学生の句」として詠んだわけですが、
写真を見ずに字面だけで解釈すれば、
「学者の句」として読むこともできる。

先生は「季語が近い」との理由で添削しましたが、
わたしは、かならずしもそうは思わない。
なぜなら「エナドリの染み」は、
失敗の跡とも努力の跡とも解釈できるから。

かりに「学者の句」として読んだ場合、
研究の成果がポジティブなものかネガティブなものか、
季語の取り合わせによって意味合いが逆転する。

季語を変えた結果、
原句と添削句とでまったく印象が変わるし、
ある意味では改作になってるともいえます。



Hey! Say! JUMP薮宏太。
誤字減点 泣きべそ帰路に色葉散る
誤字減点 泣きべその帰路 鰯雲
(添削後)

これも「季語が近い」との理由で直してますが、
なぜか添削のほうは三段切れになってます。

そこは「泣きべそ帰路の鰯雲」と書けば解決する。



青山祐子。
焼けた顔 赤土コートで歓喜 秋実る
赤土のコート 歓喜の秋高し
(添削後)

原句は三段切れで、
夏の「日焼け」と「秋」の季重なり。

ちなみに「秋実る」なんて季語はありません。
「秋が実る」という意味なのか、
「秋に実る」という意味なのか知らんけど、
なんとなく季語っぽい言葉を発明しちゃったの??

これは添削のほうが妥当です。



笠松将。
まつりの後 満点の月 懐く風
満点の月や 祭の後の風
(添削後)

原句は三段切れで、
夏の「祭り」と秋の「月」の季重なり。

ただし、作者の話によれば、
ここでいう「まつり」は実際の祭りじゃなく、
前回のプレバト収録現場の比喩なのだそうです。
そして「満点」も月の比喩的な形容。
下五の「懐く」は風の擬人化です。

端的にいうなら、
三段切れで比喩と擬人化を並べた意味不明な句w

かたや先生の添削は、
その比喩を真に受けて「祭」の句に直してますが、
やはり夏の句なのか秋の句なのか分かりません。

ためしに、
収録のあとの満月 風なじむ

としてみました。



こがけん。
枝豆を買うダイハード放映日


先生は、
句またがりの二句一章と解釈してましたが…

その場合は、
「ダイハード放映日なので、枝豆を買う」
という因果関係の取り合わせになってしまう。

なので、
これはあくまで一句一章と解釈すべきでしょう。
つまり、動詞「買う」は終止形でなく連体形です。



梅沢富美男。
百点に二重線あり 豊とよの秋
豊の秋闌け 百点に二重線
(添削後)

兼題写真をそのまま詠んだような句ですが、

懸念すべき点があるとすれば、
「訂正・取り消しの二重線」と誤読されかねないこと。
そうした誤読を避けるためにこそ、
ポジティブな季語を取り合わせる必要がある。

…とはいえ、
添削句の「豊の秋が闌ける」ってのは、
ポジティブ表現があまりに過剰でくどい。
ほとんど重複的だというべきです。



清水アナ。
百点を集めたアルバム 星月夜


アルバムに写真だけでなく、
新聞の切り抜きなどを貼る人はいますが、
テストの答案用紙を貼る人もいるんですね(笑)。

幼い日の輝かしい記憶を、
満天の星月夜に重ねたってことでしょう。

それを微笑ましいと感じるのか、
一笑に付すのかは読み手しだいですが、
形式的にいえば中八なのが欠点です。




▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12




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最終更新日  2024.10.21 15:20:42
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