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カテゴリ:読書
土曜日に新刊が発売されてました。
「ふたつのスピカ」12巻です。 夏休みも近づき、アスミたちはいつもの5人で毎年恒例の旅行先を考える。くじ引きの結果、行き先はアスミと府中野の故郷であり、去年も訪れた唯ヶ浜に決定する。実は皆、唯ヶ浜行きを希望していたのだ。 唯ヶ浜に着いた5人は、獅子号事故の慰霊碑を訪れ、ケイとマリカはアスミの実家に向かう。3人が実家にいるところへ、アスミの父・トモロウが帰ってくる。トモロウとともに、彼のロケット技師時代の話も聞きながら楽しく過ごす3人。翌朝、再び遠方へ仕事に出かけるトモロウは、顔を合わせたマリカにアスミのことを話す。 一方、秋は花火大会の準備で忙しい府中野を手伝っていた。その秋は電話である知らせを受ける。 最後かもしれない5人の夏が始まった。 10巻くらいからずっと、泣かせるいい話がつづいていて、でもそれは悲しい出来事を予感させるものだったのです。 11巻でなんもなかったから、とりあえず何もないんかなと思ってたら、12巻の最後でいきなり来ました。 前から病気のサインは送られていたのですが、「まさか、ね」と甘く考えていました。 現実に友人が出血していて、それを自分がそのサインを見逃していたとしたら、後悔することだと思いますが、マンガでそんな後悔を味わうとは思わなかった。 喪失感でいっぱいです。 これから彼らが、どう向き合っていくのか、どう背負っていくのか、見守りたいと思います。 いやもう、このマンガはもっとたくさんの人が読んで欲しいな。 今の時代にこれだけむやみやたらとノスタルジーで、 まっすぐなマンガもめずらしい。 印象深い言葉があちこちにあって、懐かしい風景がたくさんあって、 かなしい想い出、やさしい友達、ハードな現実。 柳沼行という作家が身銭切ってる感じがします。 自腹で描いてるマンガだなぁって思いますよ。 「こうしたら売れる」「こういう話がうける」とかの方法論ではなく、この話が描きたい、この人物が好きだ、っていう思いが伝わってくる。 もちろん、プロのマンガ家なんで物語の展開とかキャラの配置とかの計算は立ってるんだけど、それだけじゃなくて、それ以上にあふれる思いがある。こんなマンガが、少なくなった現在だからこそ、胸に迫ってくるのです。 たくさんの人に読んで欲しい作品です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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